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「悩み多きお年頃」30代女性を味方につけるキーワード“傾聴”

プレジデントオンライン / 2015年5月26日 10時15分

「女性の活躍推進」の重要性は、今さら政府に言われるまでもないが、日々の女性社員とのコミュニケーションには、頭を抱えてしまう。今回はそんな「40代男性マネジャー」を主人公に設定し、「女心」に響く年齢別の声かけのポイントを男女2人の人材育成のプロに教えてもらった。

■女性の30代は悩み多きお年頃

社会人としての経験を積んだ30代になれば、もう「かまってちゃん」は卒業。代わって「成長欲求」が高まってくる年代である。

「男性の働き盛りが40代だとしたら、女性の働き盛りは30代。チャンスがあればチャレンジしたいと思っているので、仕事上の期待や負荷をかけていい。半面、『自分を成長させてくれる人の下で働きたい』という思いが強く、役職ではなく人を見るので扱いにくい面もあるでしょう」(多様な人材育成を手がける前川孝雄氏)

「成長欲求」の持ち主だけに、結婚や出産などのライフイベントと、どう折り合いをつけながら仕事をしていくか、「ワークライフバランス」に最も頭を悩ませている世代でもある。

「女性の働き盛りは30代」と女性活躍コンサルタントの秋田稲美氏も言うように、キャリアを考える際の時間軸が男性と女性では大きく異なっていると、前川氏は指摘する。

「男性は長期レンジでキャリアを考えますが、女性は短いスパンで考えます。そもそも時間軸が合っていないことが、30代の女性社員と男性マネジャーのすれ違いの原因です」(前川氏)

例えば、期待を表明するつもりで「5年後にはリーダーになってほしい」と声をかけても、30代の女性には響かない。「5年先の話をされてもねえ……。結婚するかもしれないし、子供が生まれるかもしれないのに」というのが、女性側の正直な反応だ。

「30代の女性に対しては、遠い地点に立って『こっちに来い』という声かけではなく、隣で『今できることを一緒に考えよう』という『伴走のコミュニケーション』が必要です。そこで大切なのが『傾聴』です」(前川氏)

仕事を任せるとき、20代なら「あなたの長所はここだから、この仕事をやって」で済むが、30代の場合は続けて「現実的にできそうかな?」「この仕事をやるに当たって不安なところはある?」と問いかけ、それを乗り越えるためにはどうすればいいのかを一緒に考える姿勢が必要になる。

「不安や障害があったとき、『優しい』上司は負荷を下げてしまいがちですが、これは絶対にやってはいけない。彼女の意識の中では、『キャリアダウン』になるからです。彼女の成長を期待するのなら、プロセスと時間的裁量は任せて、打開策を自分で考えさせるよう支援することが大切です」(前川氏)

そこで「女心」をくすぐるのが、「いつでも相談に乗るよ」「よくやっているね」というひと言だと秋田氏は言う。

「チャレンジは孤独なものですが、女性は『見守られている』という安心感が欲しいもの。『よくやっているね』という励ましの言葉には、『自分は手を貸してやれないけれど、あなたの頑張りを応援しているよ』という優しさを感じます。男性マネジャーの口癖にしてほしい言葉ですね」(秋田氏)

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前川 孝雄(まえかわ・たかお)
FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師
管理職研修や風土改革で企業のダイバーシティ推進を支援。『女性の部下の活かし方』(メディアファクトリー)など著書多数。

 

秋田 稲美(あきた・いねみ)
ドリームマップ普及協会代表理事
女性向けの目標達成ツール「ドリームマップR」を考案し女性活躍コンサルティングを展開。『女心をつかむ魔法のことば』(大和出版)など著書多数。

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(田端 広英 遠藤素子=撮影)

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