元電通マンが「仕事相手とのカラオケ数百回」で学んだ…「1970~80年代生まれ」が喜ぶテッパン曲リスト
プレジデントオンライン / 2024年3月28日 13時15分
■「カラオケ天下一武道会」第1シードの猛者たち
ここで、カラオケの完全攻略法について伝授したい。カラオケに苦手意識を持つ方は多いであろう。趣味趣向も世代も違う相手とカラオケに行くのは、ハッキリ言って気を使う。
私もカラオケは極めて苦手であった。歌うことが苦手なだけでなく、カラオケ特有の内輪ノリにまったくついていけないのだ。
私の勤めていた広告代理店の猛者たちは、もしこの世に「カラオケ天下一武道会」があれば間違いなく第1シードであろう。
いうまでもなくカラオケを苦手とするyuuuがついていけるはずもない。同期カラオケに参加したときには、絶え間なく注がれる盛り上げ曲、暗黙知として受け継がれてきた飲みコール、不気味なタンバリン捌きに嫌気が差し、バイブスが絶頂に差し掛かる中でお手洗いに行くフリをして脱走したこともある(今でも、飲み歌の代表曲とされるサカナクション「新宝島」を聞くとあの時逃げ出したトラウマが蘇るほどである)。
余談であるが、カラオケのコールは①ランダム系、②指名系の大きく分けて2つがあり、最初はランダム系のコール曲を入れて全員がアルコールを浴びボルテージを上げ、その後に飲みっぷりの芳しくない人を指名系で指すという広告代理店のカラオケ文化があった。興味がある人は広告代理店の人間にカラオケに連れていってもらおう。
■カラオケ嫌いなが押さえるべき「2つのポイント」
では、カラオケ嫌いなyuuuが、ゲストとのカラオケをどう乗り越えたか。結論から申し上げると、押さえるべきポイントは2点だ。私の経験上、この2点だけ押さえればカラオケの攻略は急速に近づく。
歌が得意でないのに無理して盛り上げる必要も、ネタ曲を入れる必要もまったくない。ゲストからカラオケにおいて期待値を異常に高く持たれる広告代理店においても、それで十分なのだ。
1 1曲目を自分が入れる
「歌いたくなければ1曲目を入れるべき」と心得よう。この誰もが敬遠する「1曲目」を、「いいんですか! 嬉しい! 僕が行っちゃいますね!」と爽やかに言えば、そのあとは消化試合になる。周囲から「あいつは先陣を切って、みんなが嫌がる1曲目を入れた」と評価されるのだ。
この役割さえ最初に果たせば、後は歌の好きな方たちに勝手に歌わせておけばいい。
■真剣に聞いているかどうか見られている
2 スマートフォンを見ない
これが何より重要だ。他人の歌ほどつまらないものはない。できるなら帰って寝るかSNSやWEBマンガで暇を潰したいところだが、そこをグッと堪えてポケットにしまおう。なんならスマホはカバンに入れておくといい。
人は必ず、見ているのだ。自分が歌っているときに他の人が真剣に聞いているかどうかを。そして、自分の歌に集中せずにスマホを見ている人間、デンモク(リモコン)をいじっている人間にひっそりと心を閉じるのだ。
カラオケ中にスマホを見る行為は、今マイクを持っている方に対する侮辱行為だと心得よう。ここまで徹底的な会食ディレクションをしたのに、カラオケで減点されるのは悔しかろう。
どれだけつまらなくてもスマートフォンを見ない。そして1曲目を入れる。これだけ完遂すれば、カラオケはクリアだ。
■カラオケで入れるべき曲の「3つの基準」
とはいいつつも、1曲目に何を入れればいいかわからない、異なる世代の方が一緒の際にどういった曲を歌えばいいかわからないという方も多いだろう。特にコロナ禍においてはカラオケが制限されていたために、厳しいカラオケをほとんど経験せずに就職した方もいるのではないか。
そういった方のために、世代が異なる方に対してもオールマイティに盛り上がれる歌手と曲の選定基準を、独断と偏見で述べたい。
選定基準は3つだ。
世代を問わず聞いたことのある曲
アップテンポ(男性歌手の場合は特に)
裏を返せば、周囲が知らず、あまり聞いたことのない曲を入れるのは場が白けるということだ。自分が歌いたい曲は、プライベートで入れればよい。仮に十八番であったとしても歌わないほうがいいだろう。「みんながわかって、盛り上がれる」を意識しよう。
■押さえておきたい「テッパンの歌手・曲」
1970年~80年代生まれの参加者がカラオケで入れる代表的な歌手・曲をリストアップした(図表1)。ここに挙げた歌手は知名度が高いので、マイナー曲でなければ他の曲を選定しても問題ない。これらの曲を知らない場合は、ぜひ聞いて練習してもらえれば幸いだ。ページの都合上ほんの一部の紹介となるため、「なぜこの歌手が入っていないのだ」と思われる方も多数いらっしゃるであろうがご容赦いただきたい。若手の方はぜひ実践の場で訓練していこう。
その他のテクニックとして、早稲田大学・慶應義塾大学に限り校歌や応援歌は意外と活用できる。ゲストと大学が同じ場合、早稲田大学「紺碧の空」、慶應義塾大学「若き血」を入れて、肩を組んで歌えば盛り上がることだろう。他大学出身者が白けるリスクもあるため、場が終盤に差し掛かってゲストと打ち解けてきたタイミングで仕掛けたい。
もし、これらの曲を入れても場が白けてしまった場合には、ひたすら聞く側に回り、相手の歌を褒めちぎろう。自他ともに認める音痴の方が曲を入れた際には、「○○さんが歌うと場がとっても盛り上がりますね!」と言えばよい。
■大切なのは「思いやりの心」
今まで自分がカラオケに数百回参加した中で一番記憶に残っているのは、カラオケが苦手な先輩の生存戦略だ。その先輩はカラオケで「自分が最初にいきます!!!」と勢いよく手を挙げたと思いきや、おもむろにカバンからリコーダーを取り出して松任谷由実の「春よ、来い」を吹き始めたのだ! 決してリコーダーがうまかったわけではないが、その場は大熱狂に包まれた。リコーダーを常日頃持ち歩いて、備えているなど、誰も想像できるはずがない。
話を戻すが、カラオケにおいて大切なのは歌がうまいことでも、盛り上げるコールを知っていることでもない。相手にとってつまらない時間とならないように、「全員が知っている曲を入れる」「人の歌をキチンと聞く」という思いやりの心である。自分が歌うことに気を取られすぎず、常に他者への心配りを忘れないように。それさえできれば十分だ。
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会食ライター
京都大学大学院修了後、非体育会系・アルコールに弱いにもかかわらず、新卒で電通に入社。入社当時は競合代理店である「博報堂の回し者」と社内で揶揄されるほどの落ちこぼれであったが、先輩の言葉をきっかけに会食に全力で取り組むように。最大28回会食/月に及ぶ苦戦苦闘の末に、すべての会食・食事会を誰もが成功に導くことができる、徹底的に実務に即した体系的な会食ノウハウ=「会食メソッド」を独自に生み出す。その後、自らセッティングした会食をきっかけに、念願のスタートアップ企業に就職。「会食メソッド」の一部を公開したnoteは大きな反響を呼び、noteでは異例の約30万PVを達成。X(旧Twitter)フォロワー数2万9000人(2024年3月時点)。
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(会食ライター yuuu)
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