だから「すべて話そうとする人」は大体失敗する…仕事のデキる人がやっている「説得力のある話し方」
プレジデントオンライン / 2024年5月19日 15時15分
※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■説得力は声のボリュームで決まる
「はぁ?」「何?」と聞き返されて、「悪いことを言ったかな?」と思うのは、たいてい勘違いです。ただ声が小さかっただけです。
人は、何のためにコミュニケーションをとるのでしょうか?
それは、言葉で情報をやり取りするためです。だから、その情報が聞こえないのは困ります。相手が「何?」と聞き返すのは、あなたが話す情報を知りたいからです。
特に日本語は、「○○です」「○○ではありません」のように、語尾によって意味が正反対になります。だから、語尾をはっきり伝える必要があります。
Aさんは「仕事で、人からよく聞き返されます。それが嫌で、お客様への連絡は電話でなくメールで、同僚への伝言は、相手が席を立ったときにメモを置きます。声が小さいのも個性だと思うのですが……」と言います。
ビジネスでは、特に情報を正確に伝える必要があります。何度も聞き直すのは時間がかかり、相手の負担になります。Aさん自身にとっても、話さずにメールやメモを書くのはタイムパフォーマンスがよくありません。
採用面接でも会議でも、声が小さいと自信や説得力がないと相手に感じさせます。その結果、自分や自分の案が採用されずに損をします。
■本当に小さな声しか出ない人は1000人に1人もいない
会話には相手が存在します。思いやりを持って、相手が聞こえる声のボリュームで話すことが大切です。そのほうが、自分もストレスが溜まりません。
ボイストレーナーの友人は、「私、声が小さいんです」と悩む人で、本当に小さな声しか出ない人は1000人に1人もいないと言います。誰もが驚いたときには「わぁ!」と大きな声を出します。
声のボリュームを意識すれば、誰だって相手に聞きやすい大きさの声で話すことができるのです。
相手の後頭部、よく背後霊がいるといわれる位置に向かって話しかけるだけで、声は自然と大きくなります。ただ、背後霊に向かって話すのは怪しいので、背後に声を届けるような意識で、相手の目を見て話すのがポイントです。
■長い話で、時間=愛情を奪い取る人は敬遠される
話が長い人は敬遠されます。話が長くなるのは、「すべて伝えなくてはならない」と思っているからです。たとえば、言いたいこと=主訴が「シャツの袖を破いてしまった」だとしたら、話が長い人は「今日は7時に起きて……」と1日の始まりから話します。
しかし、余分な説明が増えるほど、一番言いたいことの印象は薄れ、「結局、何が言いたいの?」と相手を疲れさせます。あれもこれも言おうとするから失敗するのです。
不要な部分は削り、一番言いたいことだけに絞ることが重要です。その上で、長く話してしまう心理状態についても考えてみましょう。
・自分や話の内容に自信がない
自信のなさを、話す量を増やすことで補おうとします。
・沈黙が怖い
沈黙のメリットを理解しておらず、不安な気持ちから話し続けるパターンです。
・相手の注意を引きたい
人は無意識に時間=愛情だと感じます。子どもは特にその傾向が強く、親の注意が自分に向けられないといたずらをしたり、駄々をこねたりします。大人でも無意識に相手の関心を引くために話し続けることがあります。
わかりきった質問をするのも、時間を割いて自分に愛情や関心を払うかどうかを無意識に確認するお試し行動です。
でも、忙しい現代においては、時間=愛情を奪い取る人は敬遠されます。愛は与えるものだからです。
■読点ではなく句点を、普段の会話でも意識したい「3つのポイント」
簡潔に話すためには、次の3点を意識することが重要です。
①結論から話す
話し始める前に、一番伝えたいことをひと言にまとめてから話し始める。一番伝えたいことを決めるのは舞台の主役を決めるのと同じです。
②ワンセンテンスを短く
話が長い人は「○○は、○○なので、」と読点(、)で話し続けます。「結論は○○です。理由は○○です。」と句点(。)で短く区切りましょう。
③フィラーを連発しない
考えながら話すと「え~」「あの~」などのフィラーが増え、耳障りになります。事前に話す内容=主役を決めましょう。
普段の会話でも「これ、それ、あれ、どれ」などの“こそあど言葉”で済ませず、頭に浮かんだことを言葉にする練習をしておくことも大切です。
普段から主訴を意識して句点で端的に話し、「え~」が悪目立ちしない会話をしましょう。
■人は、待ち時間が長いとイライラする
「結論から話して!」と言われたことはありませんか?
家族に「今日は夕飯いる?」と聞かれたときは「いらない」などと結論から話しているのに、上司に「昨日の商談はどうなった?」などと聞かれると「先方が近々イベントを企画されていて……」というように、結論から話せない人は多いものです。
「相手に何か言われるのでは?」と不安や後ろめたさがあり、言い訳や補足を入れてしまうのが原因です。
会話でも道案内でも、相手を待たせないこと、迷わせないことが重要です。
人は、待ち時間が長いとイライラします。だからこそ、ダラダラと話さず結論から話し、必要な情報をすぐ相手に提供して待たせないことが重要です。
また、道案内でも、行き先もわからずに相手に同行するのは不安です。「会議室にご案内いたします」などと言われて行き先がわかると、安心してついて行くことができます。
■結論から話すための「2つのポイント」
同様に、話をする際も結論=ゴールを最初に伝えることが大切です。結論とは、相手が一番知りたいことです。
上司「昨日の商談はどうなった?」
部下「結論としては、200個の発注をいただきました。近々イベントを企画しているので必要ということでした。今、工場に納期を確認中です」
このように結論ファーストで話せば、相手は必要な情報をすぐ知ることができ、安心します。相手に相談したいことがある場合は、「○月○日に先方に同行をお願いできますか?」などと何をしてほしいのかを明確にして伝えましょう。
結論から話すためには、次の2点が効果的です。
①「結論から言うと……」を枕詞にして話す
この口癖を身につければ、常に結論を考えざるを得ません。まず結論を考える習慣をつけることが大切です。
②相手の話を要約する
普段の会話で「つまり、○○ということでしょうか?」と相手の話をひと言にまとめる要約の練習をすると、瞬時に話の結論がわかります。
初めて聞く相手の話が要約できれば、自分の話は容易に要約でき、自然に結論から話せるようになります。
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ファイン・メンタルカラー研究所代表
NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。著書に『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)などがある。
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(ファイン・メンタルカラー研究所代表 藤本 梨恵子)
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