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海洋環境模擬水槽での音波研究に高精度な計測が可能なスペクトラム社のPCIeカードを導入

PR TIMES / 2022年9月19日 0時40分

スペクトラム社のデジタイザ とAWGが、新設の水中音響研究所に採用

デジタイザなど計測機器のメーカであるスペクトラム・インスツルメンテ-ション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ / 以下、スペクトラム社)は、米ユタ州にあるブリガムヤング大学(BYU)物理・天文学科の音響研究グループが、同大学の新しい水中音響研究所の主要実験装置にスペクトラム社製の最先端デジタイザと信号発生器を採用したことを発表しました。海洋環境のミニチュアを効果的に再現するこの施設は、水中の音波伝搬に関する研究を大きく飛躍させるものです。当施設では、さまざまな水の層における音波の挙動や、海底の岩、砂、泥など多様な地盤材料からの反響を調査するための実験が行われます。この縮小版の海で得た実験結果は、実世界の海洋に当てはめて検証できるようスケールアップする必要があるため、使用する計測機器には最高水準の精度が求められます。



[画像1: https://prtimes.jp/i/95734/6/resize/d95734-6-51561dbae24c136c3279-0.jpg ]

新設された研究所の要となるのが、長さ3.6メートル、幅1.2メートル、深さ0.91メートルの実験水槽です。実験ではハイドロフォンを使用して、スペクトラム社の任意波形発生器(AWG)「M2p.6546-x4」が生成するチャープ信号を検出します。このPCカードから出力振幅24Vの信号が生成され、増幅されたのちハイドロフォンを通して出力されます。水槽内に拡散した信号は、別のハイドロフォンで検出され、スペクトラム社製「M2p.5932-x4」デジタイザカードで処理されます。送信機と受信機をそれぞれロボットアームに固定し、水中で位置や角度を微調整して適切に配置できるようになっています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/95734/6/resize/d95734-6-4fa4be63387480b1b3e0-1.jpg ]

この水槽では、海底の状態が跳ね返る音波にどのように影響するかについて実験を行うことができます。岩石のみでできた海底と、砂や泥、あるいは異なる物質が層になった海底とでは音波の反響の仕方が異なります。プロジェクトを率いるトレイシー・ニールセン(Traci Neilsen)博士は次のように説明しています。「水は均質ではないことから、音波の跳ね返り方はさらに複雑になります。水温や塩分濃度が変わると音速も変化し、蜃気楼が発生するのと同じように、音波を屈折させるのです。また、水温の変化が音源探査用の機械学習に与える影響についても調査する予定です。この水槽を使えば何度でも繰り返し実験ができるので、実際の海洋実験よりも効率が良いことに加え費用対効果も高く、海洋データで検証するための技術開発も可能になります」

[画像3: https://prtimes.jp/i/95734/6/resize/d95734-6-0fffe613f704abcf687b-2.jpg ]

博士課程の学生でデータ収集ソフトの開発を担当したアダム・キングスレー(Adam Kingsley)は、次のように述べています。「私たちがスペクトラム社の製品を選んだ理由は、当施設での実験に必要な高水準の精度と同期性が保証されているからです。この水槽は、事実上、広大な水域を縮小再現したものなので、実際のサイズにスケールアップした際に意味をなす結果を得るためには、タイミング精度の高さが不可欠です。」

[画像4: https://prtimes.jp/i/95734/6/resize/d95734-6-b6736e4c7f9ace6172c2-3.jpg ]

2枚のスペクトラム社製PCIeカード(AWG/M2p.6546-x4、デジタイザ/M2p.5932-x4 )は、実験水槽のメインコントロールコンソールに外付けされたPCIeシャーシに収納されており、同じくスペクトラム社製のStar-Hubを介して正確に同期しています。2つ目のシャーシには1つ目と同じ2枚のカードが入っており、1つ目のシャーシのトリガで動作するよう設定されています。この規模の実験では、実際の海洋で使用するよりもはるかに高いキロヘルツ帯の周波数が必要です。デジタイザとAWGカードはどちらも16ビットの高分解能を有し、それぞれ40MS/秒のサンプリングや出力を可能にしながら、チャネル間のスキュー(時間的なズレ)はわずかに100ピコ秒未満です。この優れた処理能力が、水中音響実験に求められる高い精度をもたらしています。2台のロボットアーム「UR10e」は、信号生成やデータ収集と同様に、アダム・キングスレーが作成したカスタムLabVIEWソフトウェアのプログラム「ESAU(Easy Spectrum Acoustics Underwater)」で制御されています。

この実験装置のキーポイントは外洋をモデル化することにあるため、水槽の側面にPrecision Acoustics社の特殊な吸音パネルを設置し反響を軽減しています。BYU物理・天文学科の研究所所長であるジョン・エルズワース(John Ellsworth)が設計した濾過循環ポンプもまた、素晴らしいイノベーションです。このポンプは、騒音源となる気泡を水槽内に発生させることなく、水をきれいに保つことができます。これらすべてを備えたことでインパルス応答の計測が可能になり、実験時の計測値からノイズを除去しやすくなりました。信号対雑音比(SN比)71dB以上というスペクトラム社製PCカードの精度が、インパルス応答ノイズを除去し正確な実験結果を保証しています。

[画像5: https://prtimes.jp/i/95734/6/resize/d95734-6-def4b828324ba5fdd596-4.jpg ]

ニールセン博士は次のように付け加えています。「この新しい研究所は、研究生が大学での学習の一環として、独自に実験を計画し実行できるようにするために建設されました。私は、私の最初の大学院生であるキャメロン・ヴォンサワッド(Cameron Vongsawad)と共に、どんな機器を購入すべきかを慎重に検討しました。この実験装置をこの先何年も活用できるように、すべてが堅牢で使いやすくあることが重要だったからです。他の多くの研究所がそうであるように、私たちもスペクトラム・インスツルメンテーション社が提供する独自の5年保証を高く評価しています。この保証により、同社の製品を信頼し長く使い続けることができます」

スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、www.spectrum-instrumentation.comをご確認ください。

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