アスタチン標識標的アルファ線治療薬の創薬に取り組むアルファフュージョン株式会社への出資に関するお知らせ
PR TIMES / 2023年3月7日 14時45分
住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下村真司、以下「当社」)は、このたびアスタチン標識標的アルファ線核医学治療薬の開発に取り組むアルファフュージョン株式会社(本社:大阪府北区、代表取締役CEO:藤岡直、以下「AF社」)に対する出資を決定致しました。
AF社はこの資金調達によりアスタチン-211薬剤のパイプライン構築(※1)を進めます。これにより創薬開発が進展し、アスタチン-211の必要量の増加が見込まれます。当社は大阪大学が進めるアスタチン-211の大量供給施設の整備事業に参画しており、加速器技術および放射性同位元素(RI)の標識合成技術を通して、今後の医療を革新する技術として期待されるアルファ線を利用した核医学治療の発展に向けて貢献してまいります。
【標的アルファ線核医学治療とアスタチン-211】
標的アルファ線核医学治療は、アルファ線を放出する物質とがんに集積する物質を結合し体内に注入することにより全身のがんを攻撃する治療法です。
アスタチン-211(211At,原子番号85, 半減期7.2時間)は、ハロゲンに属する元素でアルファ線を放出する性質があります。天然に安定同位体が存在しないため、これまで性質があまり解明されていませんでしたが、近年の核医学治療、もしくは診断と治療の融合(Theranostics; Therapy + Diagnosticsを結合した造語)の発展に伴い注目を集めています。既に承認されている他の放射性核種(177Lu, 223Ra,131I)などとは異なり、天然に豊富に存在するビスマス(209Bi)と粒子加速器(サイクロトロン)を用いて安定的に製造することが可能、半減期が7.2時間と短い、疾患の標的と結合する薬剤そのものに化学結合させることができる、などがメリットと期待されており、アメリカやスウェーデンなどでは既に治験が進められていました。
本邦でも、大阪大学では分化型甲状腺がんを対象とした医師主導治験(jRCT2051210144)、福島県立医科大学では褐色細胞腫パラガングリオーマを対象とした医師主導治験(jRCT2021220012)が開始されており、今後の進展が期待されています。
【標的アルファ線核医学治療のイメージ図】
[画像: https://prtimes.jp/i/100192/18/resize/d100192-18-91b5177f686e807ebdb5-0.png ]
【当社・産業機器事業部 事業部長 冨永浩之コメント】
アルファ線やベータ線を放出するRIを、がんなどの標的細胞に集積する薬剤に結合させ、がん細胞を破壊する核医学治療は世界中で研究開発が進められています。数あるRIの中でも、アスタチン-211は比較的小型のサイクロトロンで製造可能です。また天然で豊富に存在する原料から製造できるという点で安定的な供給が可能で、治療薬が承認された際には広く普及できるものと期待しています。アルファフュージョン社は標的アルファ線核医学治療の社会実装を目指す国内唯一のスタートアップです。粒子加速器技術を通して医療への社会貢献を目指す当社は、AF社とともにアスタチン核医学治療の早期実現、社会実装に尽力する所存です。将来は、日本から世界へ向けてアスタチン核医学治療の普及を目指してまいります。
【アルファフュージョン株式会社 代表取締役CEO 藤岡直氏コメント】
世界的にも注目を浴びている標的アルファ線核医学治療の領域において、アルファフュージョンは大阪大学との協力のもと、既に臨床入りしているパイプラインを含め複数のアスタチン-211創薬パイプライン創出で世界をリードしています。核種の安定供給・サプライチェーン構築において住友重機械工業株式会社は重要な事業パートナーであると同時に、今回の資金調達で株主としても参画いただくことで、よりコラボレーションを強固なものにし共に事業を推進します。この革新的な薬剤を実用化することで、世界中の多くのがん患者やその家族に希望と、がんと戦う医療従事者に強力な武器を与えることを目指してまいります。
【アルファフュージョン株式会社】
大阪大学および科学技術振興機構(JST)産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA QiSS)の成果に基づき設立された、アスタチン-211創薬の社会実装を担うスタートアップです。近年急速に世界的に大きく注目される標的アルファ線核医学治療分野において、日本発のオリジナリティを活かし、アスタチン創薬の可能性を解き放つというミッションを持っています。世界水準にてパイプラインの研究開発から事業開発まで進めることで新たながん治療の実用化を目指し、この革新的なモダリティをがん治療の基盤へと導くことを志しています。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/100192/table/18_1_73fa14ebe3cf0d6dd328ba3495a7864a.jpg ]
(※1)AF社のパイプラインは次のとおりです。詳細は下記URLをご参照ください。
●パイプライン1:甲状腺がん治療薬
(現在第1相試験実施中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000091191.html)
●パイプライン2:前立腺がん治療薬
(来年治験開始にむけ準備中:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000091191.html)
その他、現在4個のパイプラインを開発および基礎技術特許準備中です。
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