【プレスリリース】シリア危機 イラクでポリオ発生、予防接種開始 14年ぶり、シリアでは27名が感染
PR TIMES / 2014年4月7日 15時57分
※本信は ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所の発信を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、
独自に編集したものです
※原文は http://childrenofsyria.info/2014/04/06/first-mass-vaccination-campaigns-start-since-polio-found-in-iraq/ でご覧いただけます
【2014年4月6日 アンマン発】
4月6日より、シリア、イラク、エジプトでポリオ予防接種キャンペーンが開始、今後5日間
で2,000万人を対象に行われます。
イラクでは、保健省が先月30日にバグダッド北部のルサファ(Al-Rusafa)で生後6カ月の
赤ちゃんのポリオ感染を確認して以降、初の全国規模での予防接種活動です。
ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のマリア・カリビスは「イラクで14年ぶりに
ポリオ感染が確認されました。この地域全体の子どもたちがポリオ感染のリスクにあること
を示しています。すべての子どもたちが定期的に複数回、予防接種を受けられるようにし、
これまでに予防接種を行えなかった子どもたちが予防接種を受けられるようにあらゆる手を
尽くす必要があります。これ以上の感染拡大を防ぐには、この方法しかありません」と述べ
ました。
2013年10月に発表されたポリオへの包括的な対応の一環として、予防接種活動が実施されて
います。シリアで確認されたポリオウイルスは、パキスタン発の野生株のものです。シリア
国外への感染拡大のリスクが高まる中、中東地域の7カ国は、地元のNGOや市民社会、国連機関
などの支援を受け、2,200万人の子どもたちを対象に、複数回に及ぶポリオ予防接種活動の
努力を重ねてきました。2013年10月以降、同地域では、シリアでの5回、イラクでの6回を
含む計25回の予防接種が行われています。
各回では予防接種を受けた子どもの数は増加しています。しかし、シリアから逃れ、避難
場所を求めて移動している子どもたちや紛争下に暮らす子どもたちといった厳しい環境に
置かれている子どもたちは特に、予防接種を受けられていません。
WHOのポリオ根絶・緊急支援マネージャーのクリス・マハー氏は「ポリオ発生対応計画で、
この地域で子どもたちの大多数に予防接種を行えています。第2期対応計画では、最も
到達困難な子どもたち、つまり見過ごされ続けている子どもたちが予防接種を受けられる
よう、現地のパートナーと共に活動しなければなりません。シリアでは、特に包囲下や
紛争地域にある子どもたち、イラクでは僻地に暮らす子どもたちといった到達困難な子ども
たちが予防接種を受けられるまで、予防接種し続ける必要があるのです」と述べました。
レバノンでは10日から、トルコでは18日から予防接種キャンペーンが開始します。
ポリオ感染が発表されて以降、ユニセフはシリアに1,400万ダースのポリオワクチンを
届けています。
■参考情報:シリア27名の麻痺を確認、イラクでは1名
2014年3月末現在、シリアでは子ども27人がポリオによる麻痺を発症しています。内訳は
以下の通りです。東部デリゾール県18人、西部ホムス県4名、北部イドリブ県2名、北部
ハサケ県2名、西部ハマ県1名。シリアでは、1999年以降、ポリオ感染は確認されていません
でした。ポリオ感染が地域内外に広がる危険性は高まっており、21カ国の保健省は、公衆
衛生の緊急事態にあると発表しています。地域では、今後もポリオ予防活動が繰り返し
行われます。シリアでは、少なくとも2014年5月までは、毎月実施される予定です。
2014年3月30日、イラク保健省は首都バグダットのルサファ(Al-Rusafa)でポリオ感染1件
を確認したと発表しています。
今回のポリオウイルスはパキスタン発であり、遺伝子学的に同じタイプのウイルスが、
2012年12月にはエジプトの下水のサンプルで、2013年にはイスラエル、ヨルダン川西岸、
ガザ地区でも確認されています。
シリアでは2011年の内戦ぼっ発以降、暴力と各地へのアクセスが困難になったことから、
予防接種活動は著しく制約されてきました。ワクチンを一定温度に保って移送するのに必要
な設備や資材(通称コールドチェーン)は、国内各地で使えなくなり、移動保健チームは
定期的に町や村への訪問ができなくなりました。この結果、シリア国内では50万~70万人の
子どもたちが予防接種を受けられずにいます。
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Juliette Touma, ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所(在アンマン)
jtouma@unicef.org, +962-79-867-4628
Rana Sidani, WHO Regional Office in Cairo, sidanir@who.int, +20-109-975-6506
Sona Bari, WHO Geneva, baris@who.int, +41-79-475-5511
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
予防接種拡大計画発足50周年:半世紀で1億5,400万人以上の命守る【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年5月1日 17時45分
-
スーダンでの戦闘激化から1年~重度の急性栄養不良に苦しむ子どもたち【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月15日 17時45分
-
ガザ:戦闘開始から半年、命の危機にさらされる子どもたち-ユニセフの支援報告と今後の優先課題【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月10日 18時45分
-
コレラ診断キットを大規模展開~世界的大流行に対応、高リスク14カ国に120万回分【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月8日 15時45分
-
ユニセフ、安保理に対し行動呼びかけ~ガザ・スーダン・ミャンマー等、紛争下の子どもの窮状訴え【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年4月5日 11時45分
ランキング
-
1円上昇、一時151円台 3週間ぶり円高水準、介入警戒も
共同通信 / 2024年5月3日 22時28分
-
2過度な動き「ならす必要も」=円安、介入コメントせず―鈴木財務相
時事通信 / 2024年5月3日 23時51分
-
3日銀がこれほどまで円安を「無視」する3つの理由 「為替は管轄外」では、結局うまくいかない?
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 8時30分
-
4いなば食品、大炎上も「ほぼ沈黙」の戦略的な是非 「沈黙は金」黙って耐える…のはもう通用しない
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 19時30分
-
5黒田東彦・日銀前総裁「円安は一時的」…NYの講演で見解、マイナス金利解除・利上げは「当然のこと」
読売新聞 / 2024年5月3日 17時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください