【台湾情報】中国の半導体材料輸出規制、台湾への影響は限定的<ワイズ機械業界ジャーナル2023年7月第4週号発行>
PR TIMES / 2023年7月31日 22時40分
~台湾機械・電子・半導体・自動車・エネルギー業界の最新動向を分析する~
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2023年7月第4週号を発行しました。今週号では伝動部品業界、半導体業界、半導体製造装置メーカー、台湾工作機械輸出入速報を紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/207/resize/d59899-207-54e32f3565dc9e033bcc-1.jpg ]
<最新刊目次>
2023年台湾伝動部品産業と主要メーカーの動向
中国の半導体材料輸出規制、台湾への影響は限定的
半導体製造装置メーカー、朋億(ノバ・テクノロジー)
台湾工作機械輸出入速報ーー2023年1~6月
<今週の注目記事>
中国の半導体材料輸出規制、台湾への影響は限定的
中国は2023年8月1日から半導体の材料などに使われる希少金属、ガリウムとゲルマニウム関連品目の輸出規制を実施する。台湾の半導体業界では、在庫があることに加え、中国の高純度ガリウム精製技術は欧米に及ばないことから、影響は限定的とみられている。
中国の商務部は23年7月3日、ガリウムとゲルマニウム、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)などの輸出規制を実施すると発表した。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、中国に対する半導体の輸出規制を強める米国や、日本、韓国をけん制する狙いがあるとみられる。
中国のガリウムは高周波(RF)チップや発光ダイオード(LED)チップの製造に必要な化合物半導体(第3世代半導体)基板メーカーが採用している。ガリウムは第5世代移動通信(5G)ミリ波(mmWave)帯に対応した小型基地局(スモールセル)などの通信機器にも使用される。中国の輸出規制により、第3世代半導体の川上サプライヤーへの影響が懸念されている。
[画像2: https://prtimes.jp/i/59899/207/resize/d59899-207-d55641590f8de029f46b-0.jpg ]
エノスターと穏懋、「影響は限定的」
台湾の発光ダイオード(LED)最大手、富采投資控股(エノスター)は、輸出が禁止されるわけではなく、輸出管理の対象として政府が審査するという規制であるため、影響は限られるとの見方を示した。
GaAsファウンドリー世界最大手、穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)は、基板の大半はドイツ、日本から調達しており、中国からの調達規模は小さいため、当面の影響は限られると説明した。
第3世代半導体を手掛ける台湾のファウンドリー各社は、輸出規制対象品目の自社とサプライヤーの在庫確認、新たな供給源の確保を進めている。台湾のGaNファウンドリーの製造工程では、ガリウムを精製するなどして生成された液状のトリメチルガリウム(TMGa)を使用しており、主に海外の大手半導体材料メーカーから調達している。
中国は世界最大のガリウム、ゲルマニウム生産国で、ガリウムの生産量は世界全体の90%以上を占める。うち70%は国内で使用され、約25%が輸出されている。ゲルマニウムの生産量は世界全体の70%を占める。生産シェアでは中国が圧倒的な強みを持つが、高純度精製技術は欧米や日本のメーカーが握っている。
自国産業に打撃も
また、中国のサプライヤーもガリウムやゲルマニウムをいったん海外に輸出し、高純度に精製したものを輸入して国内の企業に供給している。このため、高度な精製技術が育っていない段階であまりに厳格な輸出規制を実施すれば、かえって自国産業が打撃を受けることになる。
中国依存度引き下げへ
欧州最大の金属輸入国であるドイツの経済団体、ドイツ産業連盟(BDI)のある役員は海外メディアのインタビューで、中国で生産される重要原料への依存度を引き下げる必要があると述べた。
また、米国、オーストラリアにあるアルミニウム、亜鉛の大規模精錬所で副産物として得られるガリウム、ゲルマニウムはこれまで重要視されてこなかったが、亜鉛製錬で世界2位の欧州ニルスターは、米テネシー州の亜鉛精錬所で回収したガリウムとゲルマニウムを精製する施設の建設を検討している。
今回の輸出規制で中国にどれほどメリットがあるかは不明だが、半導体などを巡る米中対立は今後さらに激化すると予想される。
その他関連記事を読む:https://www.ys-consulting.com.tw/service/marketing/index.html(会員限定)
ワイズ機械業界ジャーナル
[画像3: https://prtimes.jp/i/59899/207/resize/d59899-207-99d7c59afc4d54d2eb19-2.png ]
1. 日本語で台湾の情報収集が可能
機械業界に特化した日本語情報誌です。
2. 個々の分野の情報が満載
工作機械、機械設備、機械制御装置、手工具、動力工具、ねじ・ナット・リベット、ファスナー、金型、自動車、航空宇宙、自動化・ロボット、再生エネルギー等などの情報が満載です。
3. 多種多様な情報を提供
業界トレンド、企業動向、統計資料、法改正情報を全て網羅しています。
4. 読みやすい紙面
豊富な写真と図表、パソコンでの閲覧に配慮された横型の読みやすいPDF形式にて提供します。
5. 記事データベース検索
ホームページの記事データベースより、自由に過去記事の検索ができます。
●詳細
https://www.ys-consulting.com.tw/service/marketing/machine.html
●2週間無料試読のお申し込み
https://www.ys-consulting.com.tw/login/?buy=1&next=/service/marketing/machine.html&pop=1&frm=2
【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース、機械業界ジャーナル配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
・クラウドサービスの販売
台湾の市場調査・リサーチに関するご相談・お問い合わせ
ワイズリサーチ(威志総研)
e-mail:research@ys-consulting.com
TEL:+886-22381-9711(日本時間10:00~19:00)
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
政府はなぜ「ラピダス」のような会社を増やさないのか…日本が「半導体シェア世界1位」を奪還するために必要なこと
プレジデントオンライン / 2024年5月13日 9時15分
-
中国による経済的威圧に注意、今後の日中の関係性はどうなる?
マイナビニュース / 2024年5月10日 6時25分
-
「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視野に入れた「本当の理由」
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月2日 14時5分
-
日本の半導体の凋落招いた「日米協定」の無理難題 1986年の締結前は"日の丸半導体"が世界を席巻
東洋経済オンライン / 2024年4月30日 12時20分
-
2024年第1四半期の中国におけるIC生産量が前年同期比4割増に増加、成熟プロセスがけん引
マイナビニュース / 2024年4月24日 14時30分
ランキング
-
1道路舗装、新たに違反12件 NIPPOが原因調査
共同通信 / 2024年5月22日 20時39分
-
2ファンド提案に反対決議=来月総会、社長解任案に対抗―北越コーポ
時事通信 / 2024年5月22日 21時31分
-
3セブンプレミアム、累計売上15兆円突破 最も売れた商品は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月22日 14時40分
-
4東電料金、7月は392円高=政府補助終了、他電力も上昇へ
時事通信 / 2024年5月22日 17時27分
-
5トヨタが日本初の営業利益5兆円超 今期は減益で足場固めの年に
財界オンライン / 2024年5月23日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください