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【人類を繁栄させた「共感力」が、いま人類を滅ぼそうとしている】京大前総長・山極壽一氏による最新刊『共感革命』(河出新書)発売!

PR TIMES / 2023年10月24日 15時15分

人類史における知られざる革命、そしていま迫る人類の危機とは何か。

株式会社河出書房新社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:小野寺優)は、ゴリラ研究の第一人者で京大前総長の山極壽一氏(総合地球環境学研究所所長)による河出新書『共感革命 社交する人類の進化と未来』を2023年10月24日に刊行します。



[画像1: https://prtimes.jp/i/12754/514/resize/d12754-514-a2a40c3a4aae61e9d4c8-0.jpg ]

 人類は、約700万年前にチンパンジーとの共通祖先から分かれて独自の進化を遂げ、約7万年前に言葉を獲得したことによって「認知革命」が起きたとされています。歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリは著書『サピエンス全史』の中で「認知革命」「農業革命」「科学革命」と3つの革命を軸に人類史を辿っていくことで大きな話題となりました。しかし山極壽一氏は本書で、「認知革命」以前に人類史上最大の革命があり、それこそが「共感革命」であると主張します。

 人類が分化してから言葉を獲得するまでの長大な期間に人類は何を得たのでしょうか。霊長類学者である山極氏は、脳の大きさの変化や、類人猿特有の遊びや踊り、あるいはアフリカの狩猟採集民などの研究から、そこに「共感革命」があったという巨大な仮説を立てます。言葉を獲得する以前のこと、人類は肉体的にひ弱な存在でありながら生存していくために共同体を構成する必要が生まれます。共同体を構成するためには高い共感力が必要で、共同体が大きくなるに従い人類の共感力はさらに発達していきます。また、このために音楽が果たした役割は大きく、言葉が登場する前には音楽的コミュニケーションが共感力の基礎となったとしています。

 しかし、「共感によって進化した人類は、今、共感によって滅ぼうとしている」と著者は警鐘を鳴らします。本来共感は、弱みを強みに変える人類特有の生存戦略の出発点であり、長期間「共感」によって人類は他者と共同生活を営んできました。しかし現代では、人間の本性は暴力的なものだと思われています。同じ種でありながら憎み合い、殺し合う。そして、至る地域で緊張関係が高まり、戦争が起こり、それを誰も止められない時代に突入しています。人類を進化させたはずの共感が暴走している時代を迎えているのです。

 著者は、人類誕生からほとんどの期間を対等な関係性の中で平和に暮らしてきたことに着目し、戦争や暴力は人間の本性ではないと考えます。今こそ「共感」の起源、人類が歩んできた歴史を見直しつつ、新たな未来への第一歩を考えていきたい、と語ります。そして本書の終盤では人類の未来への考察がなされ、生成AIやメタバースがどう人類の未来に影響を及ぼすのか、また虚構や所有という概念がどう変わっていくのか、そして今や未来の人類にとって「共感」はどのような価値があるのかについて希望とともに語っていきます。

 人類の起源から未来まで。壮大かつ新しい人類進化史である、山極壽一版『サピエンス全史』がここに誕生します。

■内容紹介:
「認知革命」よりも前に起きた「共感革命」とは何か? 共感が世界を作り、そして今、共感が世界を破壊しようとしている。人類史の知られざる革命から見えた、本当の人類の姿とは?

■著者紹介:
山極壽一(やまぎわ・じゅいち)
1952年生まれ。京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士課程単位取得退学、理学博士。人類学者・霊長類学者。京都大学総長を経て、2021年より総合地球環境学研究所所長を務める。著書に『ゴリラ』『暴力はどこからきたか』『サル化する人間社会』『スマホを捨てたい子どもたち』『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』『京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと』など多数。


[画像2: https://prtimes.jp/i/12754/514/resize/d12754-514-7b49e49456d5a387fa73-1.jpg ]

■書誌情報
書名:共感革命(河出新書)
副題:社交する人類の進化と未来
著:山極壽一
仕様:新書判/並製/224ページ
発売日:2023年 10月24日
定価:968円(本体880円) ISBN:978-4-309-63169-1
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309631691/
*電子書籍版は、近日刊行予定。

■目次
序章 「共感革命」とはなにか--「言葉」のまえに「音楽」があった
二足歩行が共感革命を起こした/「言葉」のまえに「音楽」があった/神という虚構、知性のモジュール/人類が「虚構」をつくり直すとき
第一章 「社交」する人類--踊る身体、歌うコミュニケーション
人類は立ち、踊り始めた/叩く、鳴らす、合唱する仲間の輪/遊ぶ人間、ホモ・ルーデンス/音楽は生き延びるコミュニケーション/なぜ人間だけに白目があるのか/なぜ共感力は悲劇をもたらしたのか/農耕牧畜が抱える本質的な失敗/資本主義が生んだ悲劇/音楽と言葉の合体
第二章 「神殿」から始まった定住--死者を悼む心
火の周りで踊る人類/宗教と酩酊/肉体は滅びても魂は生きている/心が文化を生み、社会をつくった/シンボルと道具、芸術、そして言葉が生まれた
第三章 人類は森の生活を忘れない--狩猟採集民という本能
森を追い出された人類/ネアンデルタール人はなぜ滅びたのか/所有のない、平等な遊動生活/ヴァーチャルな縁で動く時代/自由を取り戻し始めた人類/ジャングルというコモンズ/生態系から切り離される文明/人間社会の三つの自由/シェアとコモンズを再考する時代
第四章 弱い種族は集団を選択した--生存戦略としての家族システム
胃腸が弱く、ひ弱だった人類/食物の分配から生まれた平等/隠される性、人間社会のルール/「共同保育」を支えた複数家族の共同体/仲間や子どもを助けるのは人間だけか/自己犠牲の精神という美徳
第五章 「戦争」はなぜ生まれたか--人類進化における変異現象
人類の歴史は「戦争のない時代」/西洋近代への日本霊長類学者の反論/伊谷純一郎の観察と発見/サルの社会から見る不平等社会の成立/戦争の起源は「共感力の暴発」巨大文明が築かれ、世界宗教が誕生した/戦争は人間の本性ではない
第六章 「棲み分け」と多様性--今西錦司と西田幾多郎、平和への哲学
今西自然学と西田哲学/時間即空間、空間即時間とは何か/「死物学」ではない「生物学」を/すべての生物に別の「社会」がある/社会的知性は「言葉」以前に/ゴリラは対等を重んじる/「人間の本性は暴力的」というウソ/日本人の自然観
第七章 「共同体」の虚構をつくり直す--自然とつながる身体の回復
崩壊する地球と人間の未来/資本主義と距離を置く/コミュニティがつながる「多極社会」/パラレルワールドを生きる人類/新しいコミュニティの時代へ/支え合う社会
終章 人類の未来、新しい物語の始まり--「第二の遊動生活」時代
遊びが共感力を高める/人類は地球以外で生きられるか/生成AIは全てに答える/機械化する人間、想像力の消滅/生成AIのディストピア/倫理観なき虚構の危うさ/若者たちが示す未来への希望

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