来月の日米比首脳会談、中国念頭に「アジア太平洋に仕掛けた安全のわな」―中国メディア
Record China / 2024年3月30日 6時0分
日米比3カ国首脳会談が4月11日に米ワシントンで開かれる。中国を念頭に防衛協力を進める狙いで、中国メディアは「3国がアジア太平洋に向け仕掛けた『安全のわな』」と主張した。
日本、米国、フィリピンの3カ国首脳会談が4月11日に米ワシントンで開かれる。南シナ海などで海洋進出を強める中国を念頭に防衛協力を進める狙いだ。中国メディアは「3国がアジア太平洋に向け仕掛けた『安全のわな』に対して、地域諸国は厳重警戒を保つべきだ」と主張した。
南シナ海を舞台にした中比関係は最近、緊迫の度を増している。ロイター通信などによると、比外務省は25日、中国大使館の代理大使を呼び出し、中国海警局による「攻撃的な行動」に対し正式に抗議した。
比側は南シナ海のセカンド・トーマス礁(フィリピン名・アユンギン礁、中国名・仁愛礁)周辺で23日に中国海警局の艦船がフィリピンの補給船に放水銃を使って妨害したと非難。中国国防部は24日、比側の指摘に対し、「挑発的」な行動をやめるよう要求した。
こうした中での日米比首脳会談について、中国網は「3カ国関係の強化は過去1年以上にわたる東アジアの地政学的構造の重要な変化だ」と指摘。「米日比が3カ国協力の『全面性』をいかに粉飾しようとも、3カ国の主な重点は軍事・安全分野で、『南中国海をかき乱し、台湾海峡まで影響を及ぼし、中国をけん制する』という戦略的な意図が浮き彫りになっている」と断じた。
続いて「バイデン政権は日比を利用しアジア太平洋の『同盟による中国抑制』を実現しようとしている」と言及。「昨年構築した米日韓の『鉄のトライアングル』の協力による『北のアンカー』、今回の米日比3カ国の協力の『中央のアンカー』、さらには推進中の米日豪協力という『南のアンカー』へと、米国の同盟体制は西太平洋で新たな『列島線による中国抑制』を形成している」と述べた。
日本に関しては「その中で極めて重要な戦略的支柱としての力を発揮している」と説明。「日本が自発的に中国抑制の『急先鋒』になり、米国と同盟国の間で仲を取り持ち、韓国や比国だけでなくNATO(北大西洋条約機構)まで誘い込もうとしているため、米国は初めて一連の『ミニラテラル』協力によりネットワーク化された複合的な対中抑制の地政学的『包囲網』を構築できる」との見方を示した。
比国は「アジア太平洋の地政学的な要衝に位置し、米日が東中国海・台湾海峡・南中国海の『三海連動』を実現し、前線の軍事配備を推進するため重要な戦略的支柱を提供している」とした。
その上で中国網は「米日比3カ国の協力に注目する際には、特にそれがもたらしうる地政学的衝撃に注目する必要がある」と強調。「米日比の安全協力はまず、南中国海情勢をかき乱すことになる。比側は米日の後ろ盾を手にし、海上でよりはばかりなく挑発行為に出て、南中国海の平和と安定を大きく損ね、また中国とASEAN(東南アジア諸国連合)の協議による南中国海情勢のコントロールの努力を妨害する可能性がある」と警戒感をあらわにした(編集/日向)。
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