映画「オッペンハイマー」上映に日本人の心境は複雑―中国メディア
Record China / 2024年4月2日 15時0分
1日、中国メディアの環球時報は、今年のアカデミー賞の7部門で賞を獲得した映画「オッペンハイマー」が日本で公開され、作品を見た日本人から複雑な心境が垣間見えると報じた。
2024年4月1日、中国メディアの環球時報は、今年のアカデミー賞の7部門で賞を獲得した映画「オッペンハイマー」が日本で公開され、作品を見た日本人から複雑な心境が垣間見えると報じた。
記事は、同作品が先月29日に日本で公開されたと紹介。広島と長崎に投下された原爆を開発した人物を描いた作品ということで昨年夏に米国で公開されて以降日本では物議を醸し、同時期に公開された「バービー」のプロモーションで原爆の写真が用いられたことに日本のメディアやネットユーザーが反発し、配給元のワーナー・ブラザースが謝罪に追いやられるトラブルも起きていたと伝えた。
そして、公開が始まった日本の映画館には入口に「核実験のシーンが原爆の記憶を呼び起こす可能性があるので、観賞は慎重に」との注意書きが掲示されていたと紹介するとともに、被爆者や被爆者団体の関係者らから「作品中に広島への原爆投下シーンが出てくるのを待っていたが、登場しなかった」「これは反核映画。被爆生存者のイメージが不足しており、物足りなさがあるのではないかと思ったが、実際は多くのシーンでのオッペンハイマーのせりふから原爆がさく裂する恐ろしさを感じることができ、これで十分だと感じた」「核兵器を持つ意味について考えさせてくれる。多くの人に見て欲しい」との感想が寄せられたとしている。
このほか、同作品を鑑賞した日本の市民からは「素晴らしかった」「オッペンハイマーの内心にあった葛藤に共感した」「原爆投下者サイドにのみ焦点が当たっていた。被爆した側にもスポットを当てて欲しい」との声が出たと伝えた。
記事はまた、日本の政界や映画界からもさまざまな見方が出ているとし、試写会に参加した平岡敬・元広島市長が「広島の立場からすると、核兵器の恐ろしさが十分に描かれていない」と評したこと、「ゴジラ−1.0」を手掛けた山崎貴監督が「日本はアンサー映画を作らなければならない。いつか自分もこのような映画を作りたい」と語ったことを紹介している。(翻訳・編集/川尻)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
なぜ被爆した日本人の姿を出さないのか…『オッペンハイマー』高評価とは裏腹に悲しいほど前進のない原爆観
プレジデントオンライン / 2024年5月5日 17時15分
-
映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち苦悩するアメリカの寓話【アニメで解説】
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月2日 18時10分
-
日本でも公開された「オッペンハイマー」日本人こそ真っ先に見るべき映画では 歴史学者が語る
よろず~ニュース / 2024年4月30日 12時20分
-
【逆説の日本史・特別編】井沢元彦氏が映画『オッペンハイマー』を考える 「原爆投下が多くの人間の命を救った」という主張は無視してよい「言い訳」か?
NEWSポストセブン / 2024年4月29日 11時15分
-
「原爆の父」オッペンハイマーの伝記映画が、現代のアメリカに突き付ける原爆の記憶と核の現実
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月22日 17時20分
ランキング
-
1やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月12日 7時0分
-
2「花はいらない。ウクライナがほしい」占領地の女性が守るもの 酒に下剤、見つかれば最後…命がけの抵抗を続ける理由とは
47NEWS / 2024年5月12日 10時0分
-
3イスラエル、ラファ住民に避難命令拡大 中部では医師2人死亡
AFPBB News / 2024年5月12日 15時36分
-
4ガザ北部で再び激しい地上戦=「ハマスが態勢立て直し」―パレスチナ人死者3万5000人
時事通信 / 2024年5月12日 20時24分
-
5遺族、当局監視下で慰霊 中国・四川大地震から16年
共同通信 / 2024年5月12日 19時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください