驚異の光量! LEDヘッドライトがもたらす安心感と視認性の向上~Weeklyメンテナンス~
レスポンス / 2024年3月14日 6時30分
郊外の夜間走行では自車のヘッドライトが頼りの場合も多い。そんな時にハロゲンヘッドライトが暗く感じてしまうことがある。そこで手軽に交換できて明るさをアップさせるLED化を実施してみよう。
◆LEDへの交換キット
クルマのヘッドライトは、ハロゲン→HID→LEDと近年急速に進化を遂げてきた。現行車種の多くはLEDヘッドライトが標準やオプションで用意されている。しかしちょっと前のクルマに乗っているユーザーもLED化のハードルはそれほど高くない。カー用品店などに行くとアフターパーツとしてLEDへの交換キットが用意されているので、現状のハロゲンよりももっと明るいヘッドライトが欲しいと思っているユーザーはこの機会に交換を実施してみよう。ハロゲンバルブの交換よりはちょっぴりハードルが高いけど、多くのユーザーがDIYできるレベルの難易度なので交換を実践してみよう。
ヘッドライトの交換と聞いて二の足を踏んでいる読者もいるだろうが、先にも紹介した通り取り付けの難易度はかなり低い。その証拠に、カー用品店などに行くとLEDヘッドライトへの交換キットが数多く販売されているのだ、つまりはユーザーレベルで交換している数が多いと言うこと。LEDよりも少し前に主流だったHIDはシステム的にも複雑でハロゲンからのスイッチはかなり難易度が高かったのだがハロゲンからLEDへの交換は比較的容易なのだ。
◆明るい、強い、色がいい
LED化するメリットはまずはハロゲンに比べて明るくなる点だ。ヘッドライトの明るさ(光束)を表す数値にルーメン(lm)があるが、ハロゲンヘッドライトは1000lm程度なのに対して、LEDでは5000lm(数字が高いほど明るい)を越えるものも少なくない。ただしルーメンは明るさのひとつの基準ではあるのだが、光源から出るすべての光りの総量であって実際にヘッドライトをクルマのランプハウスに取り付けて照射した状態での明るさでは無いので注意が必要。
ヘッドライトのユニットを通したときの光の強さである(光度)を表すのはカンデラ(cd)という数値が用いられる。この数値は配光性能が良いバルブの方が高くなりがち、カットラインが美しく出てそのすぐ脇から明るい照射光だと実際に使っていて明るく感じる。逆に配光性能が悪く光がシャープでは無い場合には照らしたい場所に対して的確に光を照射できないので、ルーメンの数値は高くても明るく感じない場合もある、これらは単純な明るさ(ルーメンの数値)だけでは無くLEDバルブの精度(配光性能など)に関わってくる部分なのでクオリティの高い商品を選ぶと良いだろう。信頼性の高いメーカーから選べばまず間違いが無いだろう。
光の色もLEDを選ぶ理由のひとつになる。ハロゲンバルブは照射光が比較的“黄色い”傾向にある。一方、LEDは白色光に近く白い光りが特徴だ。光りの色を示す単位は色温度呼ばれケルビン(K)で表記される。数字が高くなるほど黄→白→青と変化するので、ケルビンの数値を見て好みの色温度を選ぶと良いだろう。ただし車検時はあまりに青白い照射光だとNGになる可能性もあるので車検適合の白色系の色温度のモデルを選ぶのが無難だろう。
ところで、ハロゲンからLEDへの交換作業はどの程度の難しさなのだろう。例えばH4タイプのハロゲンバルブが着いている場合なら、最も簡単なLEDバルブならば左右2個の交換だけでOK。交換はヘッドライトの筐体にクリップで固定されているハロゲンバルブを取り外し、同じ場所にLEDバルブを差し込んで固定するだけ。バルブにセットされていたカプラーをそのままLEDバルブの端子に差し込めば完了という手順だ。
◆交換にあたっての注意点
ただし、ひとつだけ注意したいのがLEDバルブの後部の大きさ。LEDバルブは基盤や冷却ファンなどを備えているので、ハロゲンバルブよりも後端部分が大きくなる傾向にある。そのため、ヘッドライトの背面に何らかの障害物がある場合は干渉してしまう場合があり物理的に収まらない車種がある。愛車のヘッドライト後部を見て、どの程度の余裕があるかを見てからLEDバルブを選ぶといいだろう。
LEDバルブ選びではその他にもいくつかのポイントがある。取り付けに影響する部分ではドライバーユニットが別体になっているものとバルブに一体構造になっている場合がある。取り付けの簡単さを考えると一体型の方が便利。ただし取り付けスペースなどを考えた場合には別体式をあえて選ぶケースもある。
さらに発光中は基盤が発熱するLEDバルブ。熱くなる基盤部分の冷却は必須の項目だ。そのため基盤部分のまわりにヒートシンクを備えているモデルや、冷却ファンを備えているモデルもある。LEDは発熱すると明るさが少し下がる傾向にあるので冷却は大切。常に明るいヘッドライトを求めるならば効果的な冷却ファンを備えているモデルが有利になるだろう。
ハロゲンに対して明るさはもとより長寿命で低消費電力なLED。ヘッドライトの暗さを感じた場合に加えて、ハロゲンのバルブ切れのタイミングでLED化を検討しても良いだろう。価格的にはハロゲンよりも高価になるものの、長寿命であることから平均したコストではハロゲンよりもリーズナブルになることが予想される。交換もDIYで可能な範囲(作業が心配なユーザーは迷わず販売店で取り付けを依頼すれば良いだろう)なので交換のハードルは低い。快適ドライブを考えれば効果大なヘッドライトのLED化を実践してみよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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