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引き揚げの史実、知ってほしい 舞鶴引揚記念館で入館者450万人達成

産経ニュース / 2024年5月10日 11時34分

シベリアの収容所を再現した「抑留生活体験室」(京都府舞鶴市提供)

戦後の旧ソ連によるシベリア抑留や戦地からの引き揚げなどに関する資料を所蔵・展示している舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)の通算入館者数が450万人に達した。節目の入館者となったのは家族3世代で訪れた大阪府吹田市の林敏郎さん(72)で、鴨田秋津市長とくす玉を割って大台達成を祝った。

舞鶴市は昭和20年10月7日に最初の引き揚げ船「雲仙丸」が舞鶴港に入港してから約13年間にわたり、シベリアや旧満州(現中国東北部)などからの引き揚げ者約66万人を迎え入れた。

同館は60年に開催された「引揚港まいづるを偲(しの)ぶ全国の集い」をきっかけに同市が建設し、63年4月にオープン。平成27年には所蔵する抑留者や家族の手紙、絵など570点が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶(世界記憶遺産)」に登録された。

同館によると、近年の入館者数は年間9万人前後で推移していたが、新型コロナ禍で令和2年度から入館者が大幅に減少し、3年度は過去最少の約2万9千人まで落ち込んだ。コロナ禍が落ち着く中、近隣の学校からの教育旅行の増加に加え、シベリア抑留者を描いた4年公開の映画「ラーゲリより愛を込めて」との連携PRなどが奏功し、4、5年度は5万人台に回復。家族連れや若い世代の入館が増えているという。

セレモニーで、鴨田市長は「来年は戦後80年、ユネスコ世界記憶遺産登録10周年の節目を迎える。今後も引き揚げの史実の継承や平和の願いを日本全国、世界へと発信する責務を果たしていきたい」とあいさつ。林さんは「世界で戦争が起きていることを子供や孫に知ってもらいたい」と話した。

同館は「今後さらに情報発信や展示の充実、遠方からの教育旅行の誘致などに努めていく」としている。(橋本亮)

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