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人口減危機感、村ぐるみで移住促進奏功 奈良・川上村と京都・南山城村

産経ニュース / 2024年4月24日 22時23分

全国744自治体が「消滅の可能性がある」とした人口戦略会議の報告書。10年前の前回発表で30年後の若年女性減少率が89・0%で全国ワースト2位だった奈良県川上村は今回60・0%と大幅に改善した。前回ワースト17位の京都府南山城村も一定の改善があったが、いずれも「消滅」への危機感から村ぐるみによる移住促進などが奏功したとみられる。

「住む場所から仕事まで、全て村が面倒を見てくれるのが心強かった」

6年前に奈良県天理市から川上村に移住した山田一一(かずいち)さん(40)は現在、2~9歳の子供5人がいる。子供が増えて自宅が手狭になったことで転居先を探す中、川上村の積極的な移住促進策が決め手となった。

主産業だった林業の衰退やダム建設に伴う転出などで人口減少に危機感を抱いていた川上村は、平成26年度から移住促進を村を挙げて支援する「川上ing作戦」を展開。住宅や仕事、子育てなど多岐にわたる移住相談の窓口を一本化した。

村からの紹介で村営住宅で暮らす山田さんは、移住から間もなく、村の紹介で移動スーパーのドライバーとして採用された。「村の人の温かさや自然の中に身を置く暮らしにメリットを感じています」と笑う。

村によると、人口は令和6年3月末時点で1202人。平成24年の1741人から減少傾向にあるものの、15歳未満の若年層の人口割合は増加傾向にあるという。

28年には村の主導で一般社団法人「かわかみらいふ」を設立。職員27人の約半数が移住者で、高齢者の買い物支援やコミュニティカフェの運営などを幅広く手がけている。現在は山田さんもその一員だ。

自身も移住者という事務局長の三宅正記さん(46)は「村の暮らしは車があることが前提だが、不便と感じたことはない。自然豊かな場所に魅力を感じる人は多く、これからも移住者は増えるのでは」と話す。ただ、同村くらし定住課の辰巳龍三課長は「他の自治体との差別化や住宅の確保が必要となってくる」とも指摘する。

京都府内唯一の村である南山城村も、30年後に推測される若年女性減少率が前回は83・0%だったが、今回は72・7%で10ポイント以上改善した。

村では人口減少に歯止めをかけるため、移住促進や子育て支援などに力を入れてきた。村の担当者は「一定の成果は出ていると思う。引き続き人口減対策に力を入れていきたい」とした。(木村郁子、岩口利一、荻野好古)

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