トランプ氏不倫口止め料支払い公判で検察側が「有権者を欺いた」 弁護側「不正ではない」
産経ニュース / 2024年4月23日 8時37分
【ニューヨーク=平田雄介】トランプ前米大統領(共和党)の不倫口止め料を巡る会計不正処理事件は22日、東部ニューヨーク州地裁で審理が本格化した。検察側は2016年大統領選前に口止め料を支払い醜聞を隠したのは「有権者を欺く行為だ」と訴えた。弁護側は「不正ではない」と反論し、全面対決した。
検察側は冒頭陳述で、口止め料の支払いについて、トランプ氏が「醜聞の流布を封じるために弁護士に指示して立て替えさせた」と指摘。当選後に費用を弁済した際、一族企業の帳簿に「不倫口止め料と書くことができず、法務費用と偽りを記載した」と主張した。
また、大統領選前に醜聞を隠すことで、候補者の資質を見極める情報を必要としていた有権者を「欺いた」と指摘。「選挙不正だ」と訴えたが、具体的に何の法律に違反するのかは不明だ。
弁護側は、自らの当選への悪影響を防ぐための口止め料の支払いは「何ら不正ではない。民主主義と呼ばれるものだ」と反論。また、支払いは法務費用で「口止め料の弁済ではない」と主張した。ブラッグ地方検事(民主党)率いる検察側が「邪悪な考えで犯罪であるかのようにみせている」と訴え、「トランプ氏は犯罪に関与していない」とした。
検察側は昨年3月、通常は禁錮1年未満の軽犯罪として扱われる業務記録改竄(かいざん)事件を、禁錮4年以下の重罪として問うよう大陪審に求めた。重罪とするにはトランプ氏に「別の犯罪」を隠すなどの意図があったと示す必要があるが、「別の犯罪」が何なのかは冒頭陳述でも明らかにされなかった。
違法行為の一部を明示しない検察側の姿勢について、法曹界には、弁護側の証拠隠滅を防ぐ「訴訟戦略だ」と擁護する声がある一方、人権の観点から「開示すべきだ」との批判もある。
11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ氏は退廷後、裁判で選挙活動が制約を受けたとし「不公平だ」と訴えた。法廷周辺では、反トランプ派が抗議活動を行った。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
元腹心の証人尋問が焦点 トランプ氏の公判、中盤に
共同通信 / 2024年5月6日 15時34分
-
トランプ氏の醜聞隠蔽は「違法当選共謀罪」 検察側が口止め料裁判で主張 元社長が証言
産経ニュース / 2024年4月24日 12時31分
-
トランプ氏の不倫口止め料巡り審理開始、「選挙不正」と検察
ロイター / 2024年4月23日 13時54分
-
検察「純然たる選挙不正」 トランプ氏公判、審理入り
共同通信 / 2024年4月23日 7時12分
-
トランプ氏、徹底抗戦へ 不倫口止め初公判、出廷継続
共同通信 / 2024年4月16日 11時12分
ランキング
-
1プーチン氏、戦術核演習を指示=「西側への対抗措置」
時事通信 / 2024年5月6日 19時13分
-
2中国、カナダの調査は「うそ」 総選挙に介入と報告書
共同通信 / 2024年5月6日 20時33分
-
3アメリカの大学で広がるガザ抗議デモ、社会への不満が根底か…大統領選の争点に
読売新聞 / 2024年5月7日 5時0分
-
4中国軍機、照明弾で豪ヘリ妨害=高度差60メートル、「危険」と抗議
時事通信 / 2024年5月7日 9時36分
-
5バイデン政権、米国製弾薬のイスラエル輸送を停止か…ハマスとの戦闘開始後で初
読売新聞 / 2024年5月6日 17時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください