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〈GWの水難に注意〉春の川ならではの4つの危険ポイント、水量が多い、深い、流れが速い…溺れる危険を招く水温の特徴とは

集英社オンライン / 2024年4月27日 8時0分

GWに河川の近くでキャンプやバーベキュー、ボートやカヌーなどの水のレジャーの計画をしている人もいるだろう。河川は身近な存在だが、毎年のように水難事故が発生している。

【画像】イラストでわかる! 低体温症など春の川遊びで気を付けたいポイント

この季節の河川の特徴や、気を付けるポイントについて公益財団法人河川財団 河川・水教育センターの主任研究員・菅原 一成さんが解説する。

春の川は場所によって流量が多く、水深が深くなる

川などの水難事故は圧倒的に7~8月が多いのですが、やはりゴールデンウィークで休日が多いこの時期も水難事故は増える傾向なので、十分準備をしてお出かけいただきたいです。

長野県、新潟県をまたにかける日本一長い川、信濃川を例にしてみます。



春の川の様子は地域や環境、天候によって異なりますが、国土交通省信濃川河川事務所が公表している「データで見る信濃川」(※1)を見てみると、年間で利根川(関東)が9月、10月の月別平均流量が多いのに対して信濃川は4月が突出して月別平均流量が多くなっています。
これは山からの雪解け水によるものと公表されています。

このように春は地域によっては川の流量が多くなり、そのせいで水深が深くなり、流れも速くなるのです。
夏に行ったときは浅くて水の量が少なくても、春は川の様子が変わっていることもあることを心にとめておいてください。

さらに雪解け水が流れているので、水温がかなり低いのも春の川の特徴です。ゴールデンウィークの時期は夏のように外気温が高いときもあるとはいえ、場所によっては寒暖差が激しく、川の水に入るとかなり冷たく感じると思います。そこで、気をつけたいのが低体温症です。

川の水は体温に比べかなり低いのが一般的です。熱伝導率(W・m-1・K-1)を比較すると、水(0.561)は空気(0.0241)に対し、20倍以上いいことから熱を奪われやすい性質を持ちます。さらに川の流れの中では時間とともに急激に体温が奪われ、低体温症を引き起こすことがあります。

ボートやカヌーなどでのレジャーで遊ぶときは、ライフジャケットの下にウェットスーツなど着用して、体温低下を予防するようにしましょう。

(※1)https://www.hrr.mlit.go.jp/shinano/shinanogawa_info/naruhodo/ryusui.html

浅くても川底の様子はわかりにくい

山でキャンプに行く人は、川の上流付近でレジャーを楽しむことが多いと思いますが、上流は水温が低めなのはもちろん、流れも下流に比べて速いです。

また、浅い場所は安心と思いがちですが、浅い場所でも流れが速いことがあります。たとえ膝程度の深さでも、流れが速いと大人でも流されてしまうので、遊ぶときは大人も子どももライフジャケットを着用しましょう。

ライフジャケットはいわば、「川のシートベルト」のようなものです。ライフジャケットを正しく着用することで、常に頭部が水の上に出て呼吸を確保でき、流れのある川でも浮いていられ、多くの場合、命を守ることができるので、装備しておきたいアイテムです。

また、川底の形は水の流れ方や強さなどで変化します。流れの速い「瀬」は浅く、流れがゆるやかな「淵」は深いものです。場所によって深さや流れの様子は一定ではなく、それらが複雑に絡み合っているため、見た目ではわかりにくく、浅いと思っていても一歩先には深みがあるかもしれません。

さらに水際の護岸や浅瀬の石などのコケ、濡れた石やコンクリートなどはとても滑りやすくなっています。滑った後に、深いところまで流されると、溺れることに直結してしまうので、浅いから安心とはくれぐれも思わないようにしてください。

さらに、春は天候が不安定なため、その場所が晴れていても、上流で雨が降っていたり、ダムの放流などの影響で、水嵩が急に増えることがあります。増水すれば、浅かった場所も急に深くなってしまいます。そして流れの強さが増し、流されやすくなってしまうこともあるので、事前の準備で活動場所の地形や上流側の天候の情報を入手しておきましょう。

水難事故でよくあるのが、川に近い場所でバーベキューしたり、遊んだりしていて遊具やサンダルなどを川の中に落としてしまい、拾おうとして川に入ってしまうパターンです。その場合、ライフジャケットなどの準備もしていないので、川に入るのは大変危険な行為です。

解説した通り、川は見た目では浅いと感じても、川底が見えにくく深みや複雑な流れが生じているところがあります。無理して川の中に入らないようにする、準備や対策なしに子どもだけで遊ばせないようにするなどしてください。

川は身近に自然を感じる場所だからこそ、そこに潜むさまざまな危険を知って、準備や対策をしっかり行ない、ゴールデンウィークの水辺のレジャーを楽しんでいただきたいです。

※記事内のイラスト、写真は河川財団「No more水難事故2023」より一部抜粋・転載

取材・文/百田なつき

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