謎めいた米軍のスペースプレーン「X-37B」908日間のミッションを終えて帰還
sorae.jp / 2022年11月18日 11時0分
アメリカ宇宙軍は11月12日、無人軌道試験機「X-37B」がミッションを終えて帰還したことを発表しました。
X-37Bは2020年5月17日に地球低軌道へ投入されて以来、6度目のミッション「OTV-6」を実施していました。2年半に及ぶミッションを終えたX-37Bは、米国東部標準時2022年11月12日5時22分(日本時間同日19時22分)、ケネディ宇宙センター打ち上げ着陸施設(旧シャトル着陸施設)の滑走路に着陸しました。今回のミッション期間は908日間を記録しており、前回のミッション「OTV-5」の780日間を大きく上回っています。
米宇宙軍やX-37Bの製造を担当したボーイングによると、OTV-6では海軍研究所による宇宙太陽発電(軌道上の発電衛星からマイクロ波に変換した電気を地上へ送電する発電方法)の実験や、空軍士官候補生が製作した小型衛星「FalconSat-8」の放出などが行われました。2021年10月にX-37Bから放出されたFalconSat-8は現在も地球低軌道を周回しており、士官候補生の訓練に用いられるといいます。また、OTV-6では熱制御コーティング、プリンテッド・エレクトロニクス、放射線遮蔽材料の候補、種子の宇宙空間曝露といった、NASAの実験も複数実施された模様です。
なお、今回のミッションでは初めて「サービスモジュール」が用いられたとされています。サービスモジュールはX-37Bの機体後部に取り付けるリング状の構造物で、機体内部の格納スペースに加えて機体外部にも実験装置などを搭載できるようになります。
米空軍のJoseph Fritschen中佐は「軌道で実験を行い、地上で詳しい分析を行うために安全に持ち帰る能力は、空軍省と科学界の双方にとって価値あるものだと証明されています。サービスモジュールを追加したOTV-6では、従来よりも多くの実験に対応することができました」とコメントしています。
関連:謎の米空軍スペースプレーン「X-37B」6度目のミッションに向け打ち上げへ
Source
Image Credit: Boeing / U.S. Space Force USSF - X-37B orbital test vehicle concludes sixth successful mission Boeing - Boeing-Built X-37B Completes Sixth Mission, Sets New Endurance Record文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
新型宇宙船「スターライナー」準備完了審査クリア 5月実施予定の有人飛行試験に一歩前進
sorae.jp / 2024年4月26日 17時10分
-
ULAがデルタIVヘビーの最終打ち上げに成功 デルタシリーズ運用に幕
sorae.jp / 2024年4月23日 6時24分
-
月周回有人拠点「ゲートウェイ」居住モジュールの製造が進行中 打ち上げは2025年以降
sorae.jp / 2024年4月19日 11時8分
-
スペースX、QPS研究所の衛星などを搭載したライドシェアミッションに成功
sorae.jp / 2024年4月16日 17時15分
-
スペースX、アメリカ宇宙軍の気象衛星を打ち上げ
sorae.jp / 2024年4月13日 16時18分
ランキング
-
1「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
2クルマのホイール「アルミ」と「スチール」どっちがいい? 足元を支える“重要パーツ”のメリット・デメリットとは?
くるまのニュース / 2024年5月7日 17時40分
-
3外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応
オールアバウト / 2024年5月7日 18時30分
-
4年収は「130万円」と「140万円」のどちらが損ですか? 夫の扶養に入っていますが、実際の手取りはどのくらいになるでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月6日 4時30分
-
5「サプリメント同士」の“のみ合わせ”リスク もっとも注意すべきは「同じような効果のものを何種類ものむ」ケース
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください