宇宙のスクランブルエッグ? 誕生過程の三重星系「L1448 IRS3B」撮影に成功
sorae.jp / 2016年10月27日 16時23分
宇宙には複数の恒星がお互いの周りを公転している「恒星系」という天体があります。これらには2つの恒星による連星系や複数の恒星による多重星系に別れるのですが、今回観測されたのは3つの恒星からなる誕生過程の三重星系「L1448 IRS3B」です。このように、誕生過程の多重星系が観測されたのは今回が初めてとなります。
今回の観測はチリ・アタカマ砂漠にある電波干渉計「ALMA」によって行われました。画像からは、2つの若い恒星が古い恒星を回りながら形成されていることがわかります。そしてこれは、恒星系の伴星が「原始惑星系円盤」から誕生するという以前より提唱されていた説を裏付けるものとなります。
原始惑星系円盤とは新しい恒星の周りを取り巻く円盤状のガスで、その中では重たい雲が衝突を繰り返すことにより密度と温度が上昇していきます。すると最終的に核反応が起き、新たな恒星が誕生するのです。またその星の誕生過程では原始惑星系円盤の崩壊があると想定されており、今回はその過程を観測することに成功したのです。
マサチューセッツ大学のStella Offner助教授は、「これは恒星系の誕生過程で何が起きているのかを初めて捉えたものです」と語っています。さらに宇宙には膨大な数の恒星系が存在しており(なんと恒星の半分は連星系!)、今回の発見からその誕生の仕組みが解き明かされるかもしれません。
なお、私達の太陽系は恒星を一つしか持っていません。これは、原始惑星系円盤だったころにその質量があまり大きくなかった可能性があります。今後も研究者たちは宇宙の数多くの恒星系を観測することにより、将来的には太陽系の誕生の仕組みの解明につながることを期待しているのです。
Image Credit: NRAO/AUI/NSF
■Astronomers capture birth of triple-star system
http://www.theverge.com/2016/10/26/13408790/multiple-star-system-birth-formation-theory-proven?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
原始ブラックホール探索を目指すナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡 NASA
財経新聞 / 2024年5月9日 12時1分
-
中性子星が銀河中心に存在しない原因、原始ブラックホールか? アムステルダム大
財経新聞 / 2024年5月3日 8時57分
-
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ34周年記念画像は惑星状星雲「M76」
sorae.jp / 2024年4月26日 20時56分
-
“黒い”スーパーアース「LHS 3844 b」が同期回転している観測的証拠を発見
sorae.jp / 2024年4月13日 20時47分
-
星は誕生時にくしゃみをする? 九大などが、「磁束問題」解決のヒントを観測
マイナビニュース / 2024年4月12日 16時58分
ランキング
-
1「産休クッキー」に「お子が熱」。なぜ批判は、会社の構造ではなく“子持ち様”に向いてしまうのか
オールアバウト / 2024年5月8日 21時5分
-
2【実食レビュー】セブンイレブン、お値段そのまま「人気商品増量フェア」増量の具かぞえてみた - 2倍量、3倍量の“こんもり”盛り付けにテンション上がるぅ!
マイナビニュース / 2024年5月8日 16時16分
-
3SNS激怒「常識分からんのか」…相次ぐ「ホテルの備品持ち帰り」被害に弁護士「窃盗です」 どんな罰則がある?
オトナンサー / 2024年5月9日 7時10分
-
4「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
5すき家、14日から復活する“人気メニュー”が話題に 「復刻まじか」「通常メニューにして…」
Sirabee / 2024年5月9日 4時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください