探査機カッシーニ、土星「Fリング」の接近観測へ 小衛星の観測にも期待
sorae.jp / 2016年11月29日 10時24分
1997年にNASAとESA(欧州宇宙機関)によって打ち上げられ、2004年から土星の観測を開始していた探査機「カッシーニ」。そのカッシーニが、いよいよ最後のミッションとして「土星の環(Fリング)」のへの接近観測を開始します。
これまでも土星を周回しながら観測を行ってきたカッシーニですが、11月30日から2017年4月22日(予定)までは毎週1回、合計20回も土星の環のそばを通過する軌道へと推移します。そして氷と岩石からなる土星の環をこれまでにないレベルで詳細に観測する予定です。下の画像はカッシーニが撮影した土星の環と衛星「ミマス」の画像ですが、今後も同探査機はこのような素晴らしい画像を地球へと送ってくれるはずです。
このように特に土星を特徴づけるその環ですが、その起源はいまだ正確にはわかっていません。そこでカッシーニはその謎を解き明かすために最初にヤヌス/エピメテウス環を通過し、その後内側のF環の観測に移行します。このF環はおよそ幅500kmの不安定な環で、その構成と形は常に変化しています。カッシーニは搭載した観測機器によって、Fリングの粒子とガスを採取する予定です。
NASAのジェット推進研究所のLinda Spilker氏は、「我々はこのミッションを『Ring-Grazing Orbits』と呼んでいます。カッシーニはミッションの最中に、土星の環の外側を通過するからです」と語っています。ただしカッシーニはF環から5,000マイル(約8,000km)離れた地点を通過するので、環の粒子への衝突の危険性は低いはずです。
もちろん、カッシーニは土星の環の高解像度写真の撮影も行います。そのなかで、まだ視覚的に観測されていないFリングの「小衛星(moonlet)」の観測にも期待が寄せられているのです。最終的には土星の大気圏に突入してその生涯を終えるカッシーニですが、今後もさまざまな土星の新たな顔を我々に教えてくれそうです。
Image Credit: Slash Gear
■NASA’s plucky Cassini is about to buzz Saturn’s epic rings
https://www.slashgear.com/nasas-plucky-cassini-is-about-to-buzz-saturns-epic-rings-28465595/?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
日欧の水星探査機「ベピコロンボ」が水星スイングバイ、エンジン不調の影響は?
マイナビニュース / 2024年9月17日 19時46分
-
氷衛星の地下、液体を湛える海に生命はいるのか 「地球外生命」探査の最前線に迫る
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 17時0分
-
9月15日は土星探査機「カッシーニ」のミッションが終了した日
sorae.jp / 2024年9月15日 20時55分
-
日欧の水星探査ミッション「ベピ・コロンボ」第4回水星スイングバイ時の画像公開
sorae.jp / 2024年9月8日 11時34分
-
JAXAとESAの水星探査機「ベピコロンボ」、エンジン不調で到着は1年遅れに
マイナビニュース / 2024年9月3日 20時32分
ランキング
-
1「和牛」と「国産牛」は何が違うのか…高級な「A5ランクの和牛」がおいしいとは限らないワケ
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 16時15分
-
2不動産会社の女性経営者が教える! 間取りでわかる「選んではいけない賃貸物件のNG特徴」5選
ananweb / 2024年9月21日 20時0分
-
3ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
4教員の給料を時給換算してみたら“驚きの結果”に。勤続年数によって「最低賃金を下回る」場合も
日刊SPA! / 2024年9月21日 15時53分
-
5黒板の「書き写し」、教科書に「蛍光マーカー」は意味がない…最新研究でわかった「頭がよくなる科学的な勉強法」
プレジデントオンライン / 2024年9月22日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください