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輝く星々の光をさえぎる幽霊のような漆黒の雲、“いて座”の暗黒星雲

sorae.jp / 2022年9月21日 18時52分

【▲ 暗黒星雲「バーナード92」(中央)と「バーナード93」(左)(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: Cambridge Astronomical Survey Unit)】

【▲ 暗黒星雲「バーナード92」(中央)と「バーナード93」(左)(Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: Cambridge Astronomical Survey Unit)】

こちらは「いて座」の一角を捉えた画像です。星屑という言葉がぴったりな視野全体を埋め尽くす無数の星々を背景に、真っ黒な雲のような天体が幾つか浮かんでいるのがわかります。

画像を公開したヨーロッパ南天天文台(ESO)によると、中央に見えているのは「バーナード92(Barnard 92)」、その左側にあるのは「バーナード93(Barnard 93)」と呼ばれる暗黒星雲です。暗黒星雲はガスや塵でできた高密度な星雲で、向う側にある星から届くはずの可視光線を遮ってしまいます。そのため、地球からは暗黒星雲がある部分だけ暗く見えているのです。ESOはその姿を「ぼんやりした幽霊のような外観」と表現しています。

ちなみに、この画像に写っているのは「M24(Messier 24)」あるいは「いて座小スタークラウド(Small Sagittarius Star Cloud)」と呼ばれる恒星の集団のごく一部です。いて座には私たちが住む天の川銀河を内側から見た姿である天の川が流れており、M24は天の川でも星が濃く見えている領域のひとつなのです。名称の「Messier(メシエ)」は、18世紀にフランスの天文学者シャルル・メシエがまとめた「メシエカタログ」に記載されていることを示しています。

冒頭の画像は、ESOのパラナル天文台(チリ)にある口径2.6mの「VLTサーベイ望遠鏡(VST)」に搭載されている2億6800万画素の広角カメラ「OmegaCAM」を使って取得された画像(可視光線のフィルター4種類を使用)をもとに作成されたもので、ESOの今週の一枚として2022年9月12日付で公開されています。

 

関連:輝き始めたばかりの幼き星々。暗黒星雲が漂う星形成領域

Source

Image Credit: ESO/VPHAS+ team. Acknowledgement: Cambridge Astronomical Survey Unit ESO - Wispy dark clouds

文/松村武宏

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