税理士法を都合よく?解釈する税理士会・綱紀監察部の問題点
相談LINE / 2016年8月26日 20時30分
先日の読売新聞に掲載されていた記事ですが、元国税のOB税理士が代表を務める税理士法人が脱税を行っていたため、税理士法違反による懲戒処分を逃れる目的で、その法人を解散し、同名の別法人を同じスタッフで作ったという事案があったようです。
別法人を作ったからと言って、実態としては同じ法人ですから、当然に処罰されるべきですが、現在の税理士法では、その処罰ができないというあり得ない現実があるようです。
■非常に厳しい税理士法
一般の方にはなじみがないですが、税理士の根拠法である税理士法は、非常に厳しい法律です。税理士は一事務所しか持てないなど、非常に多くの規制が設けられています。この規制を守らせることで、飯を食っているのが税理士会の綱紀監察部といわれる部署です。この部署は非常に細かい規制を持ち出す傾向がありますので、私自身税理士法の解釈で、よくもめることがあります。
加えて、このような厳しい法律がありますので、脱税に手を染めるなど、非常に悪質な行為を行った税理士は、国税から懲戒処分を受け、場合によっては免許のはく奪もなされることがあります。
■逃げ切れることは仕方がない?
にもかかわらず、別の税理士法人を作れば懲戒処分から逃げられるとすれば、社会正義の観点からは決して許してはいけないことになります。しかしながら、税理士を監督する税理士会の部署も、法律では処分できないことになっていますので仕方がないであるとか、税理士を処分するのは国税だから税理士会ではどうしようもないなどと、社会正義を顧みない発言をしています。
法律は別にして、社会正義の観点から許せないこともあるはずで、このような情けない事態に税理士としては怒り心頭です。
■消費税は逃がさないのになぜか
ところで、現行の消費税法では、一定の要件を満たす場合、別会社を作ることで消費税の免除を悪用することが理論上は可能です。このような免除の悪用を国税が許すかと言えば、絶対に許さず、場合によっては法律を悪用した不正行為として脱税事件として処分することがあります。
消費税は法律に関係なく裁き、税理士法は法律があるから仕方ないでは筋が通りません。このあたり、毅然とした対応が望まれます。
●執筆:元国税調査官・税理士 松嶋洋 WEBサイト
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。国税局を退官後は、税務調査対策及び高度税務に関するコンサルティング業務に従事。
この記事に関連するニュース
-
調剤薬局の「I&H」、消費税16億円を不正還付か 国税指摘
毎日新聞 / 2024年9月19日 17時52分
-
高橋文哉&田中圭、野田クリスタルの熱演に脱帽「僕できる自信ないです」
ORICON NEWS / 2024年9月18日 18時0分
-
SNS総フォロワー33万人超え!笹 圭吾が学長を務める ~学校では教えてくれない~「子どもの未来のためのお金の学校」が開講!
PR TIMES / 2024年9月17日 16時45分
-
税務当局が知恵を絞る、タックスヘイブンを利用した租税回避への対抗策
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月14日 11時15分
-
“税”に関するエキスパート集団 租税調査研究会共催「国税OB税理士が語る 税務調査お役立ちセミナー」を9/5に開催!
PR TIMES / 2024年8月26日 16時15分
ランキング
-
1ノースボルト、国内で1600人削減 電池増産計画撤回
ロイター / 2024年9月24日 11時19分
-
2昭和に大ヒット「青春という名のラーメン」令和に復活! 熱湯1分、タイパ志向に応える 明星食品
食品新聞 / 2024年9月24日 9時2分
-
3《1個買うと1個もらえる》新作「チョコパイ」が無料ってお得すぎ...。セブン・ミニストップ・ファミマお得企画まとめ(9月24日開始)
東京バーゲンマニア / 2024年9月24日 12時37分
-
4「うまい棒」12円→15円に値上げ 「許容できる範囲をさらに超え……」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 13時9分
-
5ぬるま湯につかったJTCサラリーマンへの鉄槌…「ジョブ型人事」で年収激減。「湾岸タワマン」で金利上昇に怯え暮らす、40代・大手企業勤務の男性を襲った悲劇
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月24日 10時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください