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誰でも傍聴可能な裁判もある条件を満たすと非公開にされる。その条件とは?

相談LINE / 2016年10月18日 20時0分

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「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」(日本国憲法82条)ーーこのように裁判の公開は憲法で保障されている。その理由は公正中立に裁判が行われているかどうかを、誰でもチェックできるようにするためである。これにより司法の独立が担保されていると言っても過言ではない。しかし、その一方である条件を満たすと、非公開となることはご存知だろうか。そこで今回は裁判が非公開となる条件について星野宏明弁護士に伺った。

■裁判官の全員一致で非公開となることもある

「裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合(憲法82条)に限り、非公開にできます」(星野宏明弁護士)

まずはこのように話す星野宏明弁護士。これは個人・法人に関わらずある情報や権利、秩序を保護する必要がある場合、裁判が公開されることで、それらがかえって侵害されてしまうような本末転倒のケースでは非公開が認められるということだろう。

「ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪、憲法で保障する国民の権利が問題となっている事件については、非公開にできません」(星野宏明弁護士)

これらについては歴史上、密室裁判による不公正が多くなされたことから、その教訓によるものかもしれない。

■家事や労働事件は?

ちなみに家事や労働審判などはどうだろうか。

「訴訟と性質が異なる、家事・労働審判、審尋、調停などの手続は、憲法が公開を義務付ける『裁判』に該当しないとされ、実務上も非公開で行われています。さらに通常の民事訴訟においても、口頭弁論以外の弁論準備手続等は非公開で行われています」(星野宏明弁護士)

さて、これまで述べたように一部の非公開の裁判を除けば、基本的にはいつでもだれにでも裁判は公開されている。もしもまだ裁判を傍聴したことがないという人は是非一度、傍聴をお薦めしたい。私たちが社会生活を営む上で起こる利害の衝突や紛争がどのように解決されているのか、あるいは調整されているのかを見ておいて決して損はないだろう。

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