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“逮捕歴あり”の部下まで押しつけられ…45歳公務員の「悲惨な現実」。すぐ辞める若手の尻拭いをする毎日、残業は月60時間

日刊SPA! / 2024年2月27日 8時53分

安泰と思われた公務員でも、中年は苦境に立たされている。

◆中年の働き方が報われない理由とは…

なぜ中年の働き方は、これほど報われないのか。労働社会学者の常見陽平氏は、その理由をこう分析する。

「バブル崩壊後、“失われた30年”の長期不況の間、経営者は人材をコストと捉えていた。昇進・昇格・昇給などのロジックが見直され、非正規雇用も拡大した。また、ITの導入など激変する就労環境の整備に、企業は追われ続けてきた。その結果、中年の働き方の改善は後回しにされてしまった。一方、中年の下の世代は仕事がミスマッチなら転職に抵抗もなく、新しい働き方を模索する。これら多くの要素のしわ寄せが、中年にきていることは否めません」

一般社員の約8割が「管理職になりたくない」と回答した調査結果も、報われない職場環境を反映している。

「出世の椅子は数少ない上に、ビジネスが複雑化・高度化して責任は増す一方。さらに、経営幹部と部下の板挟みで心身も疲弊する。年功序列で出世して仕事が減った上司と比べて、給料も目減りした感がある。夢がないから、やりたがらないのは当然です」

耐えるしかないのかと思いきや、常見氏は中年に光が当たりつつあるという。

「過酷な環境を生き抜いてきたキャリアや経験に価値を見いだす企業も増えている。年収や役職に固執しなければ、QOLが向上する職場と出合える転職は多くなりました」

◆ミドル転職が活況!?中年にチャンス到来

では実際に、40~50代の中年の転職事情はどうなっているのか。ミドル世代専門の転職コンサルタントである黒田真行氏はこう説明する。

「労働人口の減少によって、10年前の転職市場で高く立ちはだかった“35歳の壁”は崩れつつある。企業側も40代、50代のミドル層に触手を伸ばし始めており、職場を替えるチャンスは確実に増えています」

ただし、今潤っている業界に飛びつくのは早計だ。

「慢性的な人手不足の中、従業員の扱いが雑な会社の将来性は乏しい。報酬がいいからと職場の風土や環境を軽視する人もいますが、心身を犠牲にすると結局長く働けない。一時的な年収よりも累積年収を重視する視点が大切。いかに精神的に健康に働けるかにも目を向けるべきです」

救われない中年が再起するにはどうすればいいのか。

「仕事の経験を再現性のあるノウハウに落とし込めているか。それを武器に年収交渉ができるかどうかがポイントです。『自分には何もない』とはなから諦めている人がいるが、それは自分を卑下しすぎです。5年以上も同じ職場にいたら、業務改善による効率化やコスト削減、売り上げアップなど、何かしらの成功体験を持っているはず。まずは、これまでのキャリアの棚卸しをお勧めしたいですね」

耐えしのぐか。収入を下げてもQOLを求めるか。報われない中年の選択は?

【労働社会学者 常見陽平氏】
科大学国際教養学部准教授。いしかわUIターン応援団長。『社畜上等!』(晶文社)など、著書多数

【転職コンサルタント 黒田真行氏】
ルーセントドアーズ代表取締役。35歳以上の転職支援サービスや、40歳以上のキャリア相談サービスを提供している
取材・文/週刊SPA!編集部

―[救われない中年社畜 地獄の実態]―

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