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「トー横で取材した子が亡くなり、小説の結末を変えた」橋爪駿輝と呂布カルマが歌舞伎町の闇を考える

日刊SPA! / 2024年4月8日 15時51分

◆「一回ハマるとなかなか抜け出せない」

呂布:たまに人が死ぬぐらいどうってことないっていうような態度ですよね。……そう考えると、問題はさらに根深いことに気づきました。きっと、社会での子供たちの優先順位が低いんでしょうね。

橋爪:悲しいですが、そんな気がしてきますね。さらにいえば、歌舞伎町のような刺激的な街は、一回ハマるとなかなか抜け出せないじゃないですか。若者ならなおさらです。

 無知な子供を利用するような悪い大人も少なくないですし、居場所を求めてトー横に来ても、結果的に救いのない状態になってしまうんですよね。

呂布:なんでよりによって治安が最悪の歌舞伎町の中心で集まるんだよって思いますね。

◆「トー横」に強い思い入れがあるわけではない

橋爪:ただ、話を聞いてると、トー横という場所に強い思い入れがあるかっていうと、そうでもないんです。

「ここにいたい」というより、「ここにしかいられない」という感覚のほうが強かった。別の居場所があれば、多分みんなすぐそっちに行くと思うんですよね。

呂布:それなら、まずはトー横から遠ざける。家に帰れない原因があるなら、戻らないようにする。

 補導もそうですけど、家に問題があったとしたら原因がある場に戻しても意味がない。そうなると、もう施設とかしかないんじゃないかと思います。

◆「自尊心を身につけてほしい」

橋爪:施設ってどんなイメージですか?

呂布:自分が小さいときは、悪いことしたら親に「戸塚ヨットスクール入れるぞ」ってよく言われてましたけど(笑)。

 トー横にいるような家庭環境が複雑なコは、自尊心が育まれてないと思うんですよ。だから自尊心がつくような、労働や資格を取らせるのがいいんじゃないですか。

橋爪:たしかに、人から頼られてやりがいを見つけられたら、そこが自分の居場所になりますしね。自尊心でいえば、親でなくても、誰か一人でも自分のことをわかってくれてる人がいるかどうかで変わってくる気がするんですよ。そんな場があってほしいです。

◆「トー横にいる10代の若いヤツらって〝宝〟だから」

呂布:なんやかんや言いましたけど、トー横にいる10代の若いヤツらって、ああ見えて〝宝〟じゃないですか。

「お前は日本の宝なんだ」ってことを全然わかってない。ただでさえ子供が減ってるのに何してんだよって。ちゃんと働いて納税してくれよって。

橋爪:「宝」ってすごくいい言葉だと思いました。トー横には、誰からも大事に思われてないと感じている人がかなりいる気がしますし、実際それに近い現実もあったりする。

 どうしても過激な報道ばかりが目立ちますが、トー横のコたちがどんな感覚で生きているのか、これからも注視していきたいです。

【呂布カルマ】
1983年、愛知県名古屋市生まれのラッパー。JET CITY PEOPLE代表。「フリースタイルダンジョン」に出演後、多くのメディアで活躍。昨年、トー横の支援団体主催のイベントに登壇

【橋爪駿輝】
1991年、熊本県生まれ。フジテレビ勤務時代、小説家として’17年『スクロール』でデビュー。’21年に退社。Amazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』で長編初監督

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/ヤナガワゴーッ! 日本駆け込み寺

―[[トー横キッズ]の深い闇]―

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