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日本人選手のアメリカでのイメージを刷新した大谷翔平の「圧倒的なパワー」

日刊SPA! / 2024年4月28日 8時51分

 50歳とは思えないパワー。現役時代のイチローが試合であまりホームランを打たなかった(打てなかった)理由のひとつは、ホームランよりもヒット狙いを重視していたからだろう。イチローがもしホームランを狙うようになればシーズン30発は余裕で打てる、と言う人もいた。

 しかし、もしホームラン狙いの打撃で打率が下がってしまうならそれまでの話だ。たとえばイチローと同じ2001年にデビューした強打者アルバート・プーホルスは毎年、打率3割以上のハイアベレージを保ちながらシーズン30本以上のホームランを量産した。ボンズやマニー・ラミレス、デービッド・オルティス、アレックス・ロドリゲスといった同時代の超一流スラッガーたちも同様だ。彼らはMLBでもトップ・オブ・トップの選手たちだが、少なくとも総合的な打撃力を見た場合、イチローの成績は彼らに遠く及ばない。

 もっともボンズやラミレス、ロドリゲスら、イチローと同時代に活躍したスラッガーたちの多くは違法薬物、ステロイドの使用疑惑があり、彼らの功績を手放しで称賛することはできないのだが……。

◆「日本人の打者はコンタクトが巧みで、スピードがあって守備もうまいがパワーには欠ける」というイメージを持ったアメリカ人

 以上の話は決してイチローの功績を軽視するものではない。彼がアメリカ野球殿堂入りに値する選手であることは疑いの余地がない。ただ事実として、彼はMLBの花形であるスラッガータイプの選手ではなかった。そしてイチローの活躍はあまりにセンセーショナルだったため、アメリカの野球ファンは「日本人の打者はコンタクトが巧みで、スピードがあって守備もうまいがパワーには欠ける」というイメージを持つようになった。

 イチローが「日本人野手」の代表的な存在になったのだ。実際にイチロー以外の日本人野手もこれまで、たとえば松井稼頭央や西岡剛、青木宣親、川﨑宗則ら「俊足巧打」タイプの選手が多かった。日本野球の十八番は「スモールベースボール」であるという認識が、日本人にもアメリカ人にも浸透していた。

◆大谷の打撃スタイルは「イチローの真逆」

 そんななかで大谷は、従来の「日本人野手」のイメージを完全に破壊した。

 MLBで自身初のMVPを獲得した2021年の大谷は、投手として以上に打者としての活躍が目覚ましかったが、その打撃スタイルはハッキリ言って「大型扇風機」だった。メジャー3位の46本塁打を放つ一方で、189三振はメジャーワースト4位。バットの芯に当たった打球は軽々とスタンドまで飛んでいくが、ボールがバットに当たらないことも多い。その打撃スタイルは素人目に見たら「イチローの真逆」とも思えるものだった。

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