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自宅の室内ドア「右開きか、左開きか」。実は難しい“住宅設計の正解”とは

日刊SPA! / 2024年5月5日 8時52分

◆ドアノブと鍵穴、蝶番のデザインにまでこだわり抜け

「住空間デザイナー」を名乗る押村は、室内ドアの見た目にも、こだわりを持つ。

「美しさは細部に宿ります。室内ドアでも同様で、僕はドアノブひとつを取っても、色合いや光沢感を大事にしてほしいと思っています。インテリアとの調和を図ったドアノブは、いわばご自身の好みの象徴。鍵穴とのバランスまで見極めながら選んでください。ちなみに、僕が好きなドアノブはマットブラック。猫の尻尾のような曲線を描いたデザインになっている、お気に入りのものがあります。メーカー仕様は尻尾が上向きになるよう取り付けるのですが、袖口に引っかかりかねないので、尾が下を向くよう逆向きに取り付けています」

蝶番も忘れてはならない、と押村は念を押す。ドアの開閉部分にある金具のことだ。

「おそらく一般に思われているよりも、色もデザインも数が多くあります。シルバーかステレンスかだけでも、印象は結構変わります。僕はピボット蝶番というものを重用しています。普通の蝶番はドアの天地から離れた箇所に2~3個付くの対して、ピボット蝶番は天地の上と下にひとつずつピタっと付く。これがじつに美しい」

もうひとつ押村が挙げたこだわりの例が「枠」。みなさんは、自分の家にあるドアがどんな枠に付いているかを思い出せるだろうか。

「通常は施工が簡単な『固定枠』というものが使われています。三方に平べったい部材を付けただけの、シンプルなデザインのものなので安価で済む。僕はこれを『調整枠』というものに変えます。固定枠の上にケーシング枠というものを付いており、ドアの衝撃や振動などが周囲のクロスに与える影響を少なくするという効果があります。ただ、それ以上に見た目が素晴らしいんですよ。高級感が一気に増します。またドアはなるべく凹凸のあるもののほうがかっこよく見えます。固定枠やシンプルな扉がモダンでいいと言う人もいますが、単にコストカットのいいぶんの可能性もあるので、よくよく検討してみてください」

室内ドア一枚にも、見るべきポイントは数多いことがおわかりいただけただろう。

〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉

【押村知也】
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』

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