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物価高でも値上げをしない「サイゼリヤ」。コスパ最強であり続ける“50年前から変わらぬ”姿勢とは

日刊SPA! / 2024年5月5日 8時53分

◆円安・物価高で外食業界は厳しい環境に

 長く続いたデフレで値下げは得意だが、値上げに慣れていなかった飲食店。物価高の中、メニュー改訂をきっかけに、さりげなく値上げする店も多くなっている。

 なかにはデフレで、なかなか値上げができなかった店がこれを機会に便乗値上げする動きもある。価格は据え置くが、クーポン券の割引率を低くしたりと、どの店も売上と利益を確保するのに苦労しているようだ。何でもかんでも値上がりする消費環境に、感覚が慣れてしまったり諦めたりする消費者も多い。

 飲食店も最初の頃は、値上げすると客が離れるとのことで、周辺の店の価格動向を注視していたが、最近は動きが活発で、もう生き残りのために背に腹は代えられぬと、当然のように値上げする店が多くなっている。店によっては、お客さんに「今までが安すぎたんだ」と理解を示してもらえる店もあるが、そういう店ばかりではない。

 お客さんが値上げする価値なしと顧客離反が著しい店もある。やはり営業姿勢など普段の行いが大切で、価格変更が栄枯盛衰の分岐点になっており、その店の真価も問われている。

◆サイゼリヤは「値上げしない宣言」理由は?

 コロナが収束し、人流が復活して外食にお客さんが戻りつつあるのに、円安による仕入れ食材の高騰・物価高騰であらゆるコストの上昇・人手不足と賃金上昇・エネルギーコストの上昇などの要因で外食産業を取り巻く環境にさらなる逆風が吹いている。

 顧客の側も値上げに不満の声を上げるというより、仕方ないというムードが漂っている。やむを得ず、各店が値上げしている中、「値上げしない」宣言をしてくれたサイゼリヤの姿勢を多くのお客さんは評価しているようだ。

 しかし、 サイゼリヤは、国内では値上げをしない宣言をしたが、アジアなど海外では、機動的で柔軟な価格政策をし、客単価も国内の795円より55円高い850円となっている。その理由は、中国では賃金の上昇が続き、値上げを行っても「リーズナブルなイタリアン」として認識されており、客数も伸びているからだと社長は説明する(東洋経済オンライン2023/10/21)そうだ。

 一方で、日本国内では、賃金が伸びておらず、名目賃金が上がっても実質賃金は上がっていないから、値上げを行えないとのことである。

◆値上げを回避したオペレーション

 あらゆるコストが値上がりしているのは、どこも同じ条件だが、業務プロセスを日々改善して低価格を維持してくれるサイゼリヤ。取締役は12人の中で8人が理科系大学出身だそうで、合理化に向けた仕組みの確立はお手の物であろう。この点は、店内オペレーションを見たらよく分かる。

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