1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

スタバと一線を画す「ルノアール」。“特異なビジネスモデル”を確立も、業績が悪化するワケ

日刊SPA! / 2024年5月18日 8時53分

写真

yu_photo - stock.adobe.com

経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回は株式会社銀座ルノアールの業績について紹介したいと思います。
同社は「喫茶室ルノアール」の直営展開を主な事業としています。大正/昭和をコンセプトとしたレトロな喫茶店として知られ、近年では数少ないフルサービスかつ「タバコが吸える喫茶店」として存在感を示してきました。そして“立退料”も収益源とする特異なビジネスモデルを確立していますが、近年では業績が悪化しており、V字回復を狙うべく新業態を模索中です。ルノアールの業績と近年の施策について探ってみました。

◆1964年に1号店をオープン

銀座ルノアールは1964年、煎餅屋が喫茶事業独立のために設立した花見商事をルーツとし、同年に喫茶店1号店を日本橋にオープンしました。規模を拡大しながら1979年には組織変更を経て現社名となり、89年に店頭売買銘柄として日本証券業協会に株式を登録します。

1999年には低価格業態のセルフ業態カフェ「NEW YORKER’S Cafe」をオープンしました。ちなみに99年はドトールが「エクセルシオールカフェ」を始めた年でもあり、低価格セルフカフェ業態を始めた背景には、96年に日本に上陸したスターバックスの台頭があると考えられます。

◆繁華街と郊外でブランドを使い分ける

2000年にそば事業を始めていますが、同事業は2004年に撤退しています。12年には新業態店の「ミヤマ珈琲」をオープンしました。従来の「喫茶室ルノアール」は都内の駅前・繁華街を主な出店先としていますが、ミヤマ珈琲は郊外のロードサイドに出店しており、現在では国内で数店舗展開しています。直近の24年3月末時点で同社は100店舗を展開し、そのうち喫茶室ルノアールはおよそ8割を占めます。ほとんどが直営店のようです。

◆他と一線を画す「フルサービス」と「喫煙席」

スタバやドトール、タリーズなど、セルフ方式のカフェが台頭するなか、喫茶室ルノアールはフルサービスの喫茶店として存在感を示してきました。店内の内装も昔ながらのレトロな喫茶店スタイルです。「大正ロマン」をコンセプトにしていますが。

2016年から「昭和モダン」の店舗も表れ、現時点でそれぞれ45/32店舗を展開しています。看板メニューの「ルノアールブレンド」は1杯700円台(店舗によって異なる)で、コーヒーの他、紅茶やミルク、ソフトドリンクも取り揃えています。古い喫茶店らしく、トーストやケーキメニューが充実しているのも特徴です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください