堤駿斗 元世界王者モレノに笑顔なき3回KO勝利 1・6キロ体重超過はコロナ後遺症が原因だった
スポニチアネックス / 2024年4月17日 22時11分
◇プロボクシングフェザー級10回戦 堤駿斗(志成)<3回2分46秒KO>アンセルモ・モレノ(パナマ)(2024年4月17日 東京・後楽園ホール)
アマ13冠でWBC世界フェザー級(57・1キロ)8位の堤駿斗(24=志成)が元世界王者でWBA世界同級9位アンセルモ・モレノ(38=パナマ)に3回2分46秒で勝利。前日計量で1・6キロの体重超過の失態を犯した中、5戦5勝2KOとし、試合後はコロナウイルス後遺症に苦しんだことを明かした。
改心のKO勝利にも笑顔なきプロ5勝目となった。自らの失態を反省するように、深くおじぎをしてからリンイン。「戦う対戦相手にリスペクトを欠くようなことはしてはいけないと思った。オーバーウエイトだが全力で戦った」と元世界王者のパンチを見切りながら2回からは鋭い左ジャブを当てると、3回には左アッパーでダウンを演出。パワーの差を見せつけ2度相手をリングに沈めて試合を終わらせた。
試合後はコーナーでうずくまるモレノに両手を合わせた堤。「歴史あるボクシングという競技を汚してしまい、人として未熟で成長しないといけない、申し訳ない気持ち」と声を震わせながら謝罪した。
堤は16日の前日計量で58・7キロとリミット(57・1キロ)を1・6キロ上回る体重超過を犯し、再計量でもわずか50グラムしか落とせなかった。この日、早朝に行われた当日計量では制限内の60・95キロでパスし試合成立となっていた。
試合後は「全部言い訳になる」と話しながら、コロナウイルスに感染したことが原因で体重調整に失敗したことを告白した。3月末の米国合宿時に感染し、帰国後も後遺症が原因でスパーリングも行えず。ジムワークもままならず、ロードバイクで汗を出すことで精いっぱいだったという。
後遺症が完治するまで最低1カ月と診断されたが、メインイベンターとして試合をキャンセルすることは考えられなかった。昨年10月のプロ4戦目でも高熱が原因で試合直前にキャンセルした経緯があっただけに「2度目はないと思った」と反省。「今は何も考えられないが、階級を変えざるを得ないかなという心境。チームと相談したい」と転級も示唆した。
昨年大みそかのWBA同級15位ルイス・モンシオン・ベンチャーラ(25=ドミニカ共和国)戦に続く2戦連続KO勝利も思わぬ形で注目を浴びた一戦。今回の体重超過で半年のライセンス停止処分が濃厚で、目標とする世界戦も年内の開催は困難だ。「人として成長して、また一から失った信頼を少しずつ取り戻してプロとして胸を張ってリングに上がれるように精進したい」。再出発へ強い決意をにじませた。
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