業界関係者683人に聞いた、業界満足度の高い2015年冬ドラマランキング
日本タレント名鑑 / 2015年5月7日 16時55分
2015年冬の連続ドラマの満足度について、日本タレント名鑑(VIPタイムズ社)が「業界関係者683人」に満足度アンケートを実施したところ、『流星ワゴン』90票、『デート ~恋とはどんなものかしら~』83票と、これまでも安定の人気作を輩出しているTBSの日曜劇場、フジテレビの月9枠が1位、2位を獲得しました。
『流星ワゴン』『デート ~恋とはどんなものかしら~』
『流星ワゴン』は設定が、『デート ~恋とはどんなものかしら~』では登場人物の性格がやや奇抜でありながらも、現代的な問題となっている「受験」「親子関係」「リストラ」「結婚」「就職」「依存症」「家族の病気」「ひきこもり」など、家庭内でありうる身近なトラブルに立ち向かうという親近感が、一般視聴者同様、家族を持つ業界人達を虜にしたのかもしれません。
また、どちらもメインキャストに安定した実力派を配置しているのも特徴です。『流星ワゴン』は西島秀俊・香川照之・吉岡秀隆・井川遥と10年以上メインを張ってきた実力派、『デート ~恋とはどんなものかしら~』も杏・長谷川博己と、ここ数年ずっと主演を任されている名優です。
『流星ワゴン』は平均10.31%と視聴率的には7位ですが、最低8.2%、最高11.2%と振れ幅が狭く、固定ファンを逃さない良作であったことがうかがえます。『デート ~恋とはどんなものかしら~』は平均12.54%で5位。初回は14.8%とトップの期待度。裏番組に、話題の8.6秒バズーカーがゲスト出演したバラエティ番組があった7話だけ10.4%まで視聴率を下げましたが、後半にかけて視聴率を崩すこともなく、ここ数年の月9枠でも平均的な結果といえます。
『問題のあるレストラン』『ウロボロス~この愛こそ、正義。』『銭の戦争』
少し得票があき、3位に52票獲得の『問題のあるレストラン』、4位に51票で『ウロボロス~この愛こそ、正義。』、5位に50票『銭の戦争』と少ない票差でランクインしています。
一般視聴率では、『銭の戦争』が13.41%と4位。多少の中弛みはあったものの最終回は15.4%と今クールドラマでの最高視聴率をマークしています。元AKB48の大島優子さんの熱演も注目を集めました。『ウロボロス~この愛こそ、正義。』は『花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス~』でメイン俳優を務めた小栗旬&生田斗真の最強タッグ、吉田羊、ムロツヨシ、滝藤賢一と通好みのバイプレイヤーを揃えた万全の作品で、アクションやカメラワークなどにも“魅せるもの”がありましたね。
初回放送後の評判が非常に高かった『問題のあるレストラン』。「伏線の回収が少ない」「後だしが多い」という意見もあり、視聴率的には8位と、今回の業界人ランキング(3位)との差が大きい作品となりました。個性が光る憎めないキャラクターと、確実な演技力の俳優陣、テンポのいい展開に、ほんわかとした心が温まるような楽しそうな雰囲気・・・と、一般視聴者から見ても目が離せない魅力があっただけに、少し残念な結果といえるでしょう。たしかに、全体としてスッキリしない部分も多少あったかもしれませんが、ひとつひとつのシーンは素晴らしく、今後再放送などでじわじわと語り継がれそうな予感も。
『ゴーストライター』『翳りゆく夏』『〇〇妻』『相棒 season13』
6~9位は30~27票と僅差で、『ゴーストライター』『翳りゆく夏』『〇〇妻』『相棒 season13』がランクイン。視聴率10位、平均8.63%の『ゴーストライター』は、「3000部刷って、2800部即返品」など、どんなにつまらない作品でもあり得ない状況が起きるなど、かなり非現実的な表現の多い作品でした。しかし「現実感」を捨ててまでこだわった「画の美しさ」「演出」は見事で、実に見応えがありました。「展開を想像しやすいタイトル」であるにも関わらず、想像外の展開、想像内の展開を織り交ぜ、最後には綺麗にまとめるなど、非常に視聴後感の良い作品だったのではないでしょうか。善人と悪人ではなく、人には悪人の面と善人の面がある・・・ということを改めて考えさせられました。
WOWOW放送の『翳りゆく夏』。複雑に絡み合った展開が秀逸な作品です。丁寧に作りこんだ上質なストーリーは地上波での放送がいまから楽しみです。『〇〇妻』も遊川和彦脚本の『家政婦のミタ』同様、ミステリアスなヒロインの過去と完璧な仮面を毎回一枚ずつはいでいく、先の読めないストーリー展開は、視聴率平均14.25%と3位。続編である視聴率1位の『相棒 season13』2位の『DOCTORS 3 最強の名医』をのぞけばトップと、非常に好評価でした。
『残念な夫。』
22票獲得で10位の『残念な夫。』は、どんな夫婦にもある悩みやトラブルをコメディタッチで描いた作品。主役以外の夫婦も分かりあい家族を再生するなど、とても後味も良く、視聴率も11位、7.63%。フジドラマとしては低めですが、水曜10時枠としては標準よりやや高めの数値をマークしており、健闘といえるでしょう。
やはり綿密に作りこまれたストーリーは、業界人、一般視聴者ともに好まれるようです。さらに業界人にはシーン毎の美しさや、配役、演出へのこだわりの強い作品が好まれているようです。業界人受けの良い作品はどれも「私にとっては今シーズンで一番!」と絶賛するような強力なファンがいるようにも感じます。
視聴率は続編物に持っていかれた感はありますが、「万人受けしなくてもビビっとくる」作品が今シーズンは多く、個性の光る印象深い作品の多いシーズンだったといえるのではないでしょうか。視聴率ももちろん大切ですが、このような作り手のこだわりを感じる素晴らしいドラマ作品が、今後も続くことを期待せざるをえません。
文/藤原ゆうこ
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