「3年前と別人」 王者・ユーリ阿久井に挑戦者陣営・大橋会長が仰天「技術も相当。強敵です」
THE ANSWER / 2024年4月18日 17時3分
■ユーリ阿久井政悟が練習公開
ボクシングのWBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が18日、5月6日に東京Dで行われる同級3位・桑原拓(大橋)との初防衛戦に向け、拠点を置く都内の帝拳ジムで練習を公開した。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)の歴史的一戦の興行に参戦。視察した桑原陣営の大橋秀行会長は「別人」と3年前に対戦した当時からの成長に目を見張った。戦績は28歳の阿久井が19勝(11KO)2敗1分け、29歳の桑原が13勝(8KO)1敗。
王者の成長ぶりに驚いた。阿久井はシャドー、ミット打ち、サンドバッグをそれぞれ2回ずつ披露。鋭いパンチを叩き込み、大粒の汗を流した。真剣な眼差しで見守った大橋会長は「シャープな感じ。3年前とは別人のイメージでした」と仰天。気を引き締めた。
「世界王者になって相当自信がついたんじゃないでしょうか。(3年前は)荒さのあるイメージ。もっとラフなイメージでしたが、凄くシャープですね。本人(阿久井)は『スピードVSパワーの構図ではない』と言っていましたが、その意味がわかりました。テクニックも相当ある。強敵になっている。当然、パンチ力もあるので技術戦になるでしょう」
初回KO劇9度を誇る阿久井だが、16日に練習を公開した桑原は「スピードVSパワーの構図になる」とコメント。「スピードスター」の異名を通りの活躍で王者奪取を誓っていたが、阿久井はこの日の会見で「ぶっちゃけこっちはパワーじゃないんで。そういう構図はどうかなと。相手もテクニックがあるし、技術の勝負になる」と否定していた。
この日の練習でシャドーする阿久井【写真:浜田洋平】
■大橋会長「桑原は東京Dで日本人最初の世界戦です」
2021年7月、日本フライ級王者だった阿久井は桑原に10回TKO勝ち。初回と最終回にダウンを奪った。今年1月に6度防衛中だった王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に3-0の判定勝ちを収め、岡山のジム初となる悲願の世界王座奪取を果たした。一方、桑原は再起後5連勝中。阿久井の王座奪取はリングサイドで観戦していた。
大橋会長は「実力の上積みは向こうの方が上かもしれない。桑原に教えないと」と改めて警戒。「最初から厳しい戦いになると思っていたけど、印象が全然違う」と続けた。
1952年5月19日に白井義男が世界フライ級王者のダド・マリノに15回判定勝ちし、日本人初の世界王座を獲得して72年。当時は東京Dの前身の後楽園スタヂアムだった。1990年のマイク・タイソン以来34年ぶりの東京Dボクシング興行となる今回は、井上―ネリ戦がメインイベント。世界戦4つのうち、阿久井―桑原がトップバッターとなる。大橋会長は愛弟子に期待を寄せた。
「伝統のフライ級で白井義男さんが世界王者になった聖地。桑原は東京Dで日本人最初の世界戦です。白井さんの功績を称える意味でも捧げたい試合ですね」
○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上と阿久井―桑原戦のほか、WBO世界バンタム級5位・武居由樹(大橋)が王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に世界初挑戦。尚弥の弟のWBA世界同級王者・井上拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)との2度目の防衛戦に臨む。同じ興行で世界戦4試合は国内最多3試合を超える史上最大規模となる。(THE ANSWER編集部)
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