【F1】ストロールの〝凡ミス〟原因をヒュルケンベルグが分析「ブレーキが十分に温まっていない」=スイス紙
東スポWEB / 2024年4月25日 18時58分
21日に行われたF1中国グランプリ(GP)でアストンマーティンの〝ドラ息子〟ランス・ストロールが起こした〝凡ミス〟事故を、ハースのニコ・ヒュルケンベルグが冷静に分析した。
ストロールはセーフティーカーが入って隊列が組まれていた27周目に、コーナー手前で前方不注意によりブレーキが遅れ、前にいたダニエル・リカルド(RB)に激突。リカルドのマシンは浮き上がって底部分に深刻なダメージを負い、その影響でリタイアを強いられた。
まさかの凡ミスにもかかわらずストロールは事故直後に無線で「このアホが急ブレーキをかけやがった」とリカルドに逆ギレし、10秒のペナルティーが科された裁定にも「信じられない、まるでジョークだな」と暴言を発して騒動に。被害者のリカルドはストロールから受けた暴言に激高して波紋が拡大している。
この件が物議を醸す中で、ヒュルケンベルグが事故原因を分析した。
スイス紙「スピードウィーク」でヒュルケンベルグは事故の瞬間を振り返り「ランスがほとんど速度を緩めず、本当にダニエルの車にぶつかったのが分かった。それから私は方向転換したが、もう彼らを見ることはできなかった」と語った。
その上で、事故の原因をこう指摘した。
「おそらくストロールは驚いただろう。セーフティカーの段階では、車が減速したり加速したりするコンサーティーナ効果(アコーディオンのような動き)により、現場では高速道路と同じような状況が発生する可能性がある」とまずは分析。そして「ランスのブレーキが最高温度になっていないことは想像できた。これは、このような状況で起こる。ブレーキが十分に温まっていない場合、減速が弱すぎて前の車の後部にはまってしまうんだ」とブレーキが適切に作動する温度に達していなかったとの見解を示した。
これはドライバーに責任がある。F1レースでは、フォーメーション・ラップやセーフティカーの導入中などに、マシンを左右に振ってタイヤを温める〝ウィービング〟を行うことが多い。これは加速と減速を繰り返すことで、タイヤを温めると同時に、ブレーキングによってブレーキローターの温度も上昇させて適正温度に上げる狙いもある。中国GPでも多くのドライバーがセーフティーカー導入中に行っていたが、ストロールはこうした対処が不十分だった可能性があるというわけだ。
ストロールは自らに非がないとしてペナルティー裁定に不満を示しているが…。まずは自らのドライビングの検証が必要と言えそうだ。
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