三沢光晴 左眼窩骨折でも強行出場!失明危機を乗り越え全日チャンピオンC制覇
東スポWEB / 2024年5月19日 10時5分
【昭和平成スター列伝】全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル2024」の優勝決定戦は12日、神奈川・横浜BUNTAIで行われ、Aブロック1位でエースの宮原健斗が、Bブロック1位の斉藤ジュンを撃破して5年ぶりの優勝を飾った。
カーニバルが一番盛り上がったのは、やはり四天王プロレスが全盛を極めた1990年代だろう。中でも95年のエース・三沢光晴の初優勝は劇的だった。
三沢は川田利明戦(4月6日岡山=引き分け)で蹴りを顔面にまともに食らい左眼窩骨折の重傷を負ってしまう。失明の危機もあったほどで、前年に続く負傷途中欠場かとも思われたが「2年も連続で休むわけにはいかない」と強行出場。11日名古屋でスタン・ハンセン、12日後楽園で田上明と引き分けたが、7勝3敗の得点17で優勝決定戦(同15日武道館)に進出。相手は同じく17点の田上。リーグ戦の決着をつけるべく超満員札止めのリングに立った。
『田上の巨体がかすんで見えた。が、決めるなら今しかない。腕をガッチリ決めての猛虎原爆固め。2連発を食らえば田上もどうしようもない。27分3秒、大観衆の合唱する3カウントが三沢の耳に届いて激闘は幕を閉じた。悲願の初V。大苦戦を強いられたが25分、雪崩式ノド輪落としを巻き投げで返された田上が後頭部を痛打。三沢は回転エルボーから投げっ放しジャーマン、タイガードライバー、そして最後は死力を振り絞った猛虎原爆2連打で勝負を決めた。三沢は「正直優勝より決勝まで来れたほうがうれしい。最悪の状況も考えていた」と安どの表情を見せた。御大・馬場も「あのケガでよく最後まで頑張った」と絶賛した』(抜粋)
三沢は後日「あんなキツいシリーズ、もうやりたくないね。俺はぶっちゃけ休むのは嫌いだけど、カーニバルじゃなかったら休場していたかもしれないね。ハッキリ言って思い出したくない。それにしても川田のヤロー(以下略)」と笑いながら語っていたのを思い出す。
三沢はケガも全快しないまま同年5月26日札幌でハンセンから3冠王座を奪還。その後、川田、小橋建太(当時健太)らと壮絶な名勝負を展開して全日本を黄金期へと導いた。今年も命日(6月13日)がもうすぐやってくる。(敬称略)
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