新NISAで投資デビューをした女性のみなさんへ
トウシル / 2024年3月26日 17時46分
新NISAで投資デビューをした女性のみなさんへ
楽天証券での新NISA口座開設、女性が5割を上回る
2024年にスタートした新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が大きな話題となっています。株価の口座数の伸びも上々のようです。
楽天証券によると、2024年1月末時点において同社で新NISA口座を開設した人のうち54%が女性であったそうです。
すでに全国で2,000万以上のNISA口座があり、男性の口座数も相当あると思われますが、大手証券会社の新NISA口座開設者に占める女性の割合が5割を超えてくるというのはちょっとエポックメイキングな現象だと思います。
投資と言えば男性(かつ高齢者)がやるものというイメージは長らくあり、実際投資に関するセミナーでは男性の参加者数が圧倒的に多数だったものです。
少額から始められるつみたてNISAの普及や、近年の投資教育活動の取り組みなどが、広く波及してきたことを示しているのかもしれません。
女性誌でのNISA特集記事の掲載も増えています。
女性の投資に優遇はないが、チャンスは男女等しく開かれている
これから投資をしていこうと考え、実際に口座開設に至った女性の皆さんにまずお伝えしたいのは「投資の世界へようこそ」ということです。
投資の世界は男女の差別がまったくない世界です。売買チャンスが男性に有利なことはありません。男性に遠慮をして空気を読む必要もありません。
あなたの投入した資金と、あなたの投資判断だけが、あなたの運用成果を決めることになります。こんなにフェアな世界はありません。
一方で、女性のための優遇やハンディキャップのようなものはありません。女性に門戸を開こうとする業界の多くは、女性に有利な条件を示すことがありますが、投資の世界ではそれはありません。
言い換えれば、女性向けの投資商品のようなセールストークは疑ってかかったほうがいいでしょう。投資の理解が浅く、セールストークにだまされる可能性が高いと狙われる可能性もありますので、注意をしてください。
行動ファイナンスのレポートでは女性の運用成績が高かったこともあるとか
それでは、女性と男性で運用成果は変わらないのか、というと興味深いデータがあります。行動ファイナンスの研究では「女性のほうが運用成績がよい」というデータもあるのです。
とはいえ、女性の投資判断が優れているというよりは、男性の方が性急に、また自信過剰に短期売買を繰り返すあまりに不要な手数料(や税金)を支払うことがマイナスリターンとなって、男性の平均値を落としているのではないかと分析されています。
行動ファイナンスではオーバーコンフィデンス(自信過剰)の過ちを指摘するものであり、投資行動としては中長期投資の効率性を個人の投資動向としても裏付けるものとなっています。
女性が「私は投資の知識や経験がまだ十分ではない」と自覚することができれば、それは大きな財産です。なぜなら、無謀な投機的選択(無茶な銘柄選択や売買タイミング選択)を控えることができるからです。
自分に対する謙虚さをもつことは、投資において財産だと考えてみるといいでしょう(念のために申し添えると、これは当然男性でも当てはまることです)。
新NISAの基本活用法である長期積立分散投資でやっていこう
女性向きの投資商品がないとして、それでもあえて、女性向きの投資方法はないものでしょうか。
もしあるとしたら、今よく言われている長期積立分散投資を、新NISAのつみたて投資枠で、投資信託を活用して行うというものです。
毎月、一定額を自動的に購入する積立投資のアプローチは積立定期預金をするような感覚で、自動的に元本を積み上げていくことになります。相場観をはさんで売買判断(特に投資をしない、という判断)を生じさせないことも結果として効率的な投資行動につながります。
分散投資のアプローチは、投資信託を活用すれば簡単に実現できます。1社ではなく数百社から数千社へ一気に投資をすることができれば、特定の会社のマイナスニュースで大きく値下がりする心配がなくなります。投資信託の運用方針を確認し、広く分散投資を考えてみましょう。
そして長期投資です。先ほどの研究事例が示す通り、短期的な売買にあくせくするくらいならじっくり構えて長期的な経済の成長を待つ方が、日々の負担も軽くなり、結果も上々のものとなる可能性が高まります。
つみたてNISAの案内資料で金融庁が示したシミュレーションでは、国内外に分散投資をして20年積立投資をした人の勝率はほぼ100%でした。ぜひ、長期積立分散投資を活用し、無理なく投資でお金を増やしていってほしいと思います。
女性も投資が当たり前の時代をあなたが切り拓いていくかも
さる3月8日は国際女性デーでしたが、今年のテーマは「女性に投資を」でした。投資を受ける側としての起業家の女性などがもっと増えていくべきだというようなテーマが取り上げられていたようですが、投資主体となる女性が増えていくことも大切なことです。
もし、NISA制度がきっかけとなって、投資をする女性が増えていくなら、あなた自身のお金の選択肢を自ら切り拓いていく大きなきっかけを手に入れたということでもあります。それは女性にとってとても重要なことだと思います。
改めて、投資の世界へようこそ。そして、投資を通じて、自らの経済的自由をデザインし、幸せ(ウェルビーイング)を獲得していってみてください。
(山崎 俊輔)
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