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教授になれば「こっちのもの?」大学教授のリアル コピペされた論文を見破るのも重要な仕事!?

東洋経済オンライン / 2023年12月13日 9時0分

「本を出している大学教授」といっても、「売れない教授」は本を書けば書くほどビンボーになるという(写真:Luce/PIXTA)

大学教授と聞いて思い浮かぶのは、お金や時間に余裕があり、特段の不自由を感じることもなく、淡々と研究に打ち込んでいるような先生だ。あえて極端な書き方をしたが、そういったイメージを抱いている方は実のところ多いのではないだろうか?

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リアルな大学教授の実態

だが、『大学教授こそこそ日記』(多井学 著、フォレスト出版)を確認する限り、必ずしもそうとはいい切れないようだ(まあ、当たり前なのだけれども)。

大手銀行勤務を経て、S短大の専任講師として大学教員生活をスタート。そののち地方のT国立大に移籍し、現在は関西の私立大学であるKG大に勤務している人物だ。

KG大は京阪神の大学の中でも、関西弁で言うところの「シュッとした」学生、いわゆるお坊ちゃん、お嬢ちゃんが集まることで知られている。先日読んだ週刊誌によると「偏差値のわりに就職率がよく、卒業生の平均年収も高く、関西主要私大でもっともおトク」らしい。とはいえ、関西では国公立大が就職に強く、京都大を筆頭に、大阪大、神戸大の3大学限定の就職説明会も開催され、KG大だとエントリーシートで落とされるという噂を耳にしたこともある。まあ、そんな大学の現役教授である。(「まえがきーー学内の誰にも告げずに…」より)

つまりはそんな立場から(本人は「売れない教授」と自称している)、大学業界の裏表、リアルな大学教授の実態を明らかにしているわけである。

その意気込みが決して半端なものでないことは、著者名がペンネームであるところからも推測される。30余年にわたって大学業界で見聞きしてきたことを思う存分表現したかったからこそ、実名を明かしてしまったら面倒なことになるというわけだ。

本書を読めば、KG大の関係者の中には「多井学」の正体が誰であるか、推測がつく人がいるかもしれない、学内外から多少の反発があるやもしれないが、洗いざらい書いてしまったからには、もう仕方ない。この際、そういう声には耳をふさぐことにしたい。(「まえがきーー学内の誰にも告げずに…」より)

だからこそ読者としては、誰かの噂話を聞かされるような気楽さで楽しめるわけだが、著者もいうようにその道筋は決して平坦ではなかったらしい。

たとえば、そのことを如実に言い表しているのが「著作」についてのエピソードだ。明治大学の齋藤孝教授がそうであるように、毎月本を出版し、印税やテレビ出演だけでかなりの収入を得ていることが想像できる方もたしかにいらっしゃる。というよりも、それこそが一般的な「本を出している大学教授」像ではないだろうか?

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