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コレステロール値「高めを放置」する人の怖い真実 専門医が解説「医学的根拠に基づく5つの対策」

東洋経済オンライン / 2023年12月19日 18時0分

「コレステロールの低値は死亡率の“原因”ではなく、死に至るような病気を発症していた“結果”の可能性があったのです」と寺本さんは説明する。

もちろんコレステロール値の基準は現在は妥当性があっても、将来、変わる可能性はゼロではない。しかし、現時点では極端に高い数値の人、複数の生活習慣病を有する人、家族性高脂血症の人は、高リスクであることは明らかだ。

「それなのに、『コレステロール値が高いほうが長生き』と言ってしまえば、コレステロール値が高い人たちは免罪符を与えられたように、その説に飛びついてしまうかもしれません。しかし、そもそもコレステロール値が高い人は、ほかの生活習慣病を有していることが多い。誤解に基づいた対応で、将来、不幸な結果に見舞われないとも限らないのです」(寺本さん)

実は、その後も同じような論争が続いている。

例えば2014年、LDLコレステロールに関して、日本動脈硬化学会と、日本人間ドック学会・健康保険組合連合会が異なる基準値を出した。このときマスコミは「基準値が緩和された」と報道し、一時話題となった。

その後も、ことあるごとに日本動脈硬化学会の主張に対して、反論する意見が一部メディアでは取り上げられている。だが、学会の主張をくつがえすような明確な科学的根拠は出ていない。

「コレステロールで薬を飲むべきか」ということに関しては、『MEGAスタディ』という研究で有効であるという結果が出た。

研究の対象者は、冠動脈疾患にかかったことのない軽〜中等度(総コレステロール値が220〜270mg/dL)の脂質異常症の患者約8000人(男性40〜70歳 女性閉経後〜70歳)。対象者を食事療法だけのグループと、食事療法+スタチン併用グループに分け、約5年間追跡した。

その結果、スタチンを併用したグループで冠動脈疾患が33%減少した。

不確かな偏った情報や認識で健康法に取り組み続けたら、命取りだ。「病気に対する予防法や対処法を誤解して、間違った生活習慣を続けたり、反対に効果がないとあきらめてしまったりするのは、非常によくない」と寺本さんは強調する。

コレステロールや動脈硬化の情報は、日本動脈硬化学会『動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版』を参照したい(サイトはこちら)。

コレステロールの「真実」

最後に、現時点でわかっている動脈硬化に関する医学的根拠を、寺本さんのアドバイスも踏まえつつ紹介する。

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