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「膝をたたくだけ」医師が勧める簡単すぎる健康法 最近注目の「若返りホルモン」が期待できる

東洋経済オンライン / 2023年12月23日 6時50分

ヒントは「骨」にありました。

私は整形外科医、美容皮膚科医として日々患者さんと接しています。高齢の患者さんは筋力や骨が衰えていることが多いので、「骨が健康の土台ですよ」「少しでも骨を鍛えましょうね」とお話しします。

骨を鍛えるには軽くたたいたりして衝撃を加えるのが効果的なのですが、実はこの「たたくだけ」のやり方に、骨を鍛えるだけでなく、認知症や糖尿病を予防したり、脂肪を減らすなど、非常に幅広い効果が期待できることがわかってきたのです。

驚きの効果の秘密は「若返りホルモン」といわれる「オステオカルシン」「オステオポンチン」にあります。

オステオカルシンはNHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』のなかで出てきたので、ご存じの人もいるかもしれません。坂口健太郎さん演じる菅波先生が「記憶力の向上が期待できる」と語っていました。

この若返りホルモン、他にも多くのポジティブな効果をもたらすことが最近の研究で明らかになってきています。

実は骨というのは、単なる硬いかたまりではありません。生きた細胞でできていて、ホルモンの分泌を通して体のいろんなところに元気になるメッセージを送る、いわば臓器なのです。

骨が大切だとは知っていても、そんな役割があることは知らなかった、という人も多いのではないでしょうか。

若返りホルモンが分泌される仕組み

ひざをたたくことの大切な意味は、骨に刺激を与えることにあります。その刺激が若返りホルモンを出すスイッチになるからです。

その仕組みを見ていきましょう。

「人の細胞は常につくり替えられている」という話を聞いたことがありませんか? もちろん骨も例外ではありません。あなたの骨も、大人になって硬くなったらそのままというわけではなく、常に新しい骨につくり替えられています。

これを骨の新陳代謝(骨づくり)といいます。古い骨が溶かされ削られる「骨吸収」と、新しい骨がつくられる「骨形成」の繰り返しによって、骨折しにくい強度を保っているのです。

骨の新陳代謝は、古い骨を壊す→新しい骨をつくる→古い骨を壊す→新しい骨をつくる……という繰り返しです。このとき骨を壊す働きをするのが「破骨細胞(はこつさいぼう)」。骨をつくる働きをするのが「骨芽細胞(こつがさいぼう)」です。

注目していただきたいのが骨芽細胞で、この骨芽細胞が働いているときに、若返りホルモンが分泌されます。

骨芽細胞は、骨に負荷がかかることに反応して働きます。骨に刺激が加わるなどして負荷がかかると「もっと強い骨をつくれ」という指令が出て、骨芽細胞が頑張るのです。

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