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ロジカル思考を過信するコンサルが失敗する理由 人は正論だけでは動かず感情変化がポイント

東洋経済オンライン / 2023年12月27日 13時0分

(写真:: takeuchi masato/PIXTA)

コンサルタントは形ある製品がない商売なだけに、その知識や戦略を伝えるための「言葉」を武器にしなければいけない。

では、やり手の経営者や知識豊富な現場の人間、さらには百戦錬磨の上司を前にしたとき、コンサルタントたちはどのような伝え方を意識しているのか?

大手総合コンサルタントファームで働きつつ、プレゼン講師やSNSでコンサル仕事術を発信する、しゅうマナビジネス氏は「まず3秒の一言で、相手に聞く姿勢になってもらうことが重要だ」と話す。

同氏の著作『3秒で伝える コンサルが使う[シンプルな言葉で相手を動かす]会話術』から一部内容を抜粋し、コンサルが駆使する伝え方のコツを紹介する。

ロジカルシンキングを学びすぎると「理屈っぽくなる」

3秒で伝える意識を持つと、ただ情報を並べるのではなく、物事の本質を考えたうえでシンプルに伝えられるようになります。

「結論から言う」が実は理解されない残念な現実

話す前に少し立ち止まり、「今、最も伝えるべき内容は何か」「相手にとってわかりやすいシンプルな言葉は何か」と考える。

それはロジカルシンキングの思考訓練と同じような効果を生み、物事を論理的に考える力が身につくはずです。

ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、「論理的に考える」と「論理的に話す」はまったくの別モノだということです。

現役コンサルとして誤解を恐れずに言えば、ロジカルシンキングを学んだだけでは「相手を動かす説明」ができるようにはなりません。なぜなら、コミュニケーションとは、あくまで“相手ありき”だからです。

そもそもロジカルシンキングとは、分析や推論を用いて問題を解決し、意思決定を行うための思考スキルです。

事実やデータに基づく論理的な結論を導き出すことを重視しているので、「この主張は正しい」「このデータは根拠や事実を示している」と、自分の正しさを証明するのには非常に役に立ちます。

しかし、ロジカルシンキングを学び、客観的事実に基づいて正しい主張をしたのに、相手が動いてくれません。それは「相手の感情や状況をロジックに取り込めていない」からです。

以前、私が所属する組織には、物事をなんでもロジカルに考えるベテランコンサルがいました。

ある日、彼やその部下たちと一緒にランチを食べる機会があったのですが、部下から「和食と洋食のどっちがいいですか?」と聞かれ、「なんで中華はないの?」と面倒な質問(選択肢の抜け漏れを指摘)をして、「噂通りの人だな……」と思ったことがあります。

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