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「勝ち組でいたい」に縛られる人が行き着く場所 その価値観は刷り込まれたものかもしれない…

東洋経済オンライン / 2023年12月27日 16時0分

「勝ち組」「負け組」という分類は、幻想かもしれません(写真:タカス/PIXTA)

「人生、親ガチャで決まる?」「勝ち組に入るのがすべて?」「恋愛を避けて生きるのはアリ?」

そんな、現代人のわれわれが気になるテーマを、もし哲学者とディベートしたら、彼らはどう答えるのでしょうか?

富増章成さんが送る、まったく新しい角度の哲学入門書『21世紀を生きる現代人のための哲学入門2.0:現代人の抱えるモヤモヤ、もしも哲学者にディベートでぶつけたらどうなる?』より一部抜粋・再構成してお届けします。

「勝ち組を目指したい」気持ちの行く末は…?

昨今、SNSなどを中心にしばしば話題になる「勝ち組・負け組」論争。何をもって勝ち組とするのか、気になる人も増えているかと思います。

しかし、哲学の構造主義を知ると、この「勝ち組・負け組」という分類自体、幻想だと思えてくるかもしれません。

「勝ち組論争」について、もしも構造主義者に聞いてみたら、どう答えるのでしょうか?

ハイスペ男(以下、「ハ」):「人生はやっぱり勝ち負けがありますよ。俺は絶対に勝ち組に入ることに意味があると思います。仕事で大成功をして、資産を築いて、タワマンに住んで、高級車に乗って、モテモテで……そんな資本主義社会の勝者を目指します。」

構造主義者(以下、「構」):「それはもしかすると騙されているのかもしれません。あなたの考えているような勝ち組・負け組というものは、実は幻想かもしれませんよ。」

ハ:「ええ? 勝ち組・負け組は本当にあると思いますよ。どこが幻想なんですか……?」

構:「私たちは自分の自由意志で物事を決定し、行動していると思っていますが、実はそれは社会の仕組みによって規定されているだけなのです。『勝ち組に入らなければいけない』などの価値観も刷り込まれたものかもしれません。」

ハ:「いやいや、勝つことに目標設定して頑張るというのは立派な態度だと思いますね。そうやって人間は進歩してきたんだから。現にこの資本主義社会には格差が存在しているじゃないですか。だから勝ち組と負け組はあるんですよ。」

構:「では聞きますが、そもそも、年収いくらだと勝ち組なんでしょう。1000万円以上? 1億円以上? あるいはアメリカの成功者のような天文学的な金額ですか?」

ハ:「それは自分で自由に決めればいいことです。人口のなかで上位何%とか基準を設ければいいでしょう。」

構:「おそらく、あなたは勝ち組がどのようなものかを決定することはできないと思いますよ。ちょっと別の例で考えてみましょう。あなたは、お湯と水をどこで線引きしますか?」

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