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「認知症?」家族が心配な人に知ってほしいこと 相手の気持ちをないがしろにしていないか

東洋経済オンライン / 2023年12月27日 19時30分

認知症の疑いがあるとき、一番不安なのは本人です。気持ちに寄り添った対応が求められます(写真:shu / PIXTA)

実家へ帰省する人も多い年末年始。高齢の親に会ったら、なんとなく言動が気になり「もしかして認知症?」と思う人もいるかもしれません。

また親とのコミュニケーションが難しくなったり、理解しがたい行動を目にするようになったりしたとき、実は認知症が原因だった、ということもあります。

まずは認知症を正しく理解すること。そして認知症の人に接するときは、伝わりやすい言葉かけが大切です。

認知症研究の第一人者である佐藤眞一・大阪大学名誉教授の著書『認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ』から一部を抜粋、編集し、「なぜ言い方が大切なのか」と認知症でよく見られる症状をご紹介します。

怒らない・否定しない・共感する

家族が認知症だと診断されたら、大きな不安に駆られることでしょう。

【表で見る】認知症の周辺症状はこんなにも多様

しかし、周囲以上に不安なのは本人です。認知症になったからといって、いきなり何もわからなくなるわけではなく、むしろ初期の頃は本人にも「これまでできていたことができなくなった」という自覚があります。

「自分はいったいどうなってしまうのか」「どこか悪いのではないか」という、得体のしれない不安にとらわれることがほとんどです。

認知症が進行すると、時間や場所、人の認識が難しくなるため、さらに不安は強まります。

「自分が今、どこにいるのかわからない」「目の前の人が誰なのかわからない」という、少し想像しただけでも、足がすくむような不安に囲まれた日常を過ごすことになるのです。

こうした不安を少しでも解消できるよう、気持ちに寄り添った対応が求められます。

必要な心構えとしては「怒らない」「否定しない」「話に耳を傾け、共感する」を意識するとよいでしょう。

認知症初期の介護ではまず、これまで通りの日常生活を過ごせるよう、それとなくサポートするのが理想です。

例えば、認知症の母親が買い物に行くたび、同じ食材ばかりをいくつも買い込んでくるとします。そこで「また同じものばかり買って!」と叱っても、本人は忘れてしまっているのですから困惑するばかり。

いやな気持ちだけが印象に残り、コミュニケーションがうまくいかなくなる可能性が高くなります。

認知症の症状は人によってさまざまです。まずは本人にどのような症状があるのかを観察し、背景にある理由に想像をめぐらせてみましょう。

例えば、先ほどの食材のケースでは、買い物に行くと、育ち盛りの子どもたちに食事をつくってあげていた頃の習慣がよみがえり、「おなかいっぱい食べさせてあげなくては」と考えたのかもしれません。

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