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「LGBTQ+」の人が職場で直面するさまざまな課題 自分らしくいられる環境を企業はどう作るか

東洋経済オンライン / 2023年12月28日 10時40分

LGBT理解増進法の施行に伴い、一部メディアでは、トイレや公衆浴場の問題にまで派生させ、トランスジェンダーと性犯罪とを結び付けた報道がなされました。

また、「すべての国民が安心して生活できることとなるよう、留意する」と、あたかもLGBTQ+の当事者が社会を脅かすかのようにも捉えられる文言が、法律制定の直前で追加されるという異例の経緯もありました。

今後、社会全体で活発に議論を重ね、コンセンサスが形成されていくことが望まれます。

LGBTQ+にまつわる労務管理に関わってくるトラブルには、次のようなものがあります。

(1)同性婚訴訟……日本国内において、同性間の婚姻を法律上認めていないことが憲法違反であるとして、国に対して損害賠償を求めている訴訟

2023年8月現在、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5つの地方裁判所で判決が言い渡され、大阪を除く4か所で、違憲(違憲状態を含む)とされる歴史的判断がなされました。

(2)経産省トイレ利用制限訴訟(2023年7月11日最高裁判決)……経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判

トイレの使用制限を設けた国の対応は違法とし、原告が勝訴した訴訟です。裁判官は判決のなかで、「個々の事情に応じた対応が必要であり、そのうえで、感覚的かつ抽象的な懸念ではなく、真摯に調整を尽くすべき事案である」と指摘しています。

(3)性的指向の暴露「アウティング」で労災認定(2022年3月18日)……アウティングによる精神疾患の発症が、労災認定された事例

2022年4月から中小企業においても義務化された「パワハラ防止法」では、労働者の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動や、労働者の性的指向・性自認について当該労働者の了承を得ずに第三者に暴露することは、ハラスメントに該当すると明記されています。

当事者が職場で直面する課題

男女雇用機会均等法により、性別を理由として故意に差別をする企業は少なくなっているものの、LGBTQ+の当事者らは、職場で自分らしく振る舞えないことや、自認する性での社会生活が送れない等の困難に直面しています。

「多様な人材が活躍できる職場環境に関する企業の事例集〜性的マイノリティに関する取組事例〜(令和元年厚生労働省委託事業)」における当事者アンケートでは、図表2のような結果が記載されています。

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