1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

NY生まれ「DASSAI BLUE」は米国で成功できるか 85億円の投資。「現地の評価や専門家の声」は?

東洋経済オンライン / 2024年1月2日 12時0分

「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」の醸造所(写真:旭酒造提供)

2023年9月24日にニューヨーク州ハイドパークに自社の醸造所「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」を開業させた旭酒造。

日本酒ブームが高まるアメリカで、初のプレミアム日本酒の小規模生産者による醸造所ができたと注目が集まった。

初期投資は85億円以上、初年度は720mlボトルを20万本生産予定だという。

旭酒造が社運をかけた醸造所で作るニューヨーク生まれのSAKEは、はたして市場に受け入れられるのだろうか? 

醸造所ができて3カ月、現地の評価や現地専門家の声を伝える。

家族経営の酒蔵がニューヨークに醸造所を作った理由

2023年9月24日、小雨模様の寒い日にお披露目となった「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」のオープニングパーティーは、日本、アメリカ各地から関係者が多数集まり熱気を帯びていた。

【写真でわかる】NY生まれ「DASSAI BLUE」は米国で成功できるのか

旭酒造の海外初となる醸造所が誕生したのは、マンハッタンからアムトラックで1時間半ほどの緑豊かなニューヨーク州ハイドパークの一角。

世界最大の料理大学CIA(The Culinary Institute of America)からすぐの場所だ。

元スーパーマーケットだったという建物をリノベーションした醸造所は、建築家・光井 純氏によるもの。

無機質だった元の建築を生かしながらレッドシダーで屋根や縁側を作り、アメリカと日本をうまく融合させたデザインは、周囲の緑豊かな環境にしっくりと馴染んでいる。ハイドパークの新しい新名所になりそうなオーラをすでに発していた。

「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」で作られるのは「DASSAI BLUE」というSAKE*だ。

(*)日本産以外の米で醸し、日本で醸造していない酒は地理的表示から「日本酒」と呼ぶことができず、一般的に「SAKE」と呼ばれる。

もちろん、使う酒米は「獺祭」と同じく山田錦100%。

初年度の2023年は日本から輸入をした山田錦を使っているが、アーカンソー州の山田錦を生産している農家と契約をし、2024年の収穫からは現地の米も使う予定。

精米は敷地内の精米所で行われ、SAKE造りに使う水はハイドパークの良質な水。まさに今までになかった生粋のニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのプレミアムSAKEである。

この記念すべき「DASSAI BLUE」は、思った以上に難産だったようだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください