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消えた「タピオカ屋」でしっかり儲けた人の思考 ブームに乗じた「コトづくり」で短期収益化

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 14時0分

一時期は街中にあふれかえっていたタピオカ屋も、今やポツポツと目にするくらいです(写真:karins/PIXTA)

「なぜあの店は潰れないのか?」「なぜあの商品はあそこまで流行ったのか?」

身の回りに浮かぶ疑問の数々。背後には、さまざまな「儲けの仕組み」があります。

菅原由一さんの著書『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』より一部抜粋・再構成してお届けします。

実は3回目? 繰り返すタピオカブーム

みなさんは最近「タピって」ますか?

「タピる」というのはタピオカドリンクを飲んだり、タピオカを食べたりするときに使われる言葉で、2019年には新語・流行語大賞のトップ10にランクインした言葉なのですが、今日では使う人もめっきり減ってしまいました。タピオカ屋も、一時期は街中にあふれかえっていましたが、今やポツポツと目にするくらいです。

社会の変化をとらえ、ブームに飛び乗ること。これは儲けるための定番の方法です。タピオカ屋さんが急増し、多くの人がタピオカを飲むようになったケースは、この典型例といえるのではないでしょうか。

じつは、最近のタピオカブームは3回目なのです。1回目は1992年で、80年代から流行っていたアジア料理のデザートとして出された白いタピオカが入ったココナッツミルクが流行しました。ちなみに、当時のタピオカは白い小粒のもので、現在の黒い大粒のものとは異なっていました。このときのタピオカブームはナタデココやパンナコッタ、カヌレといった新たなスイーツの台頭によって落ち着いていくことになりました。

2回目は2008年です。台湾の飲食チェーン店が日本に増えて、タピオカミルクティが流行しました。このときにはタピオカは白から黒になり、スプーンで食べるものからストローで飲むものに変化しています。直近のブームの原型は、このときにできたものです。なお、今回のブームも塩キャラメルや生カステラといった競合スイーツが次々と登場したことによって、人気は沈静化していきました。

そして、2018年が3回目です。きっかけは、LCC(格安航空会社)の就航によって海外へのアクセスが安価になり、近場である台湾旅行の人気に火が付いたことで、本場のタピオカミルクティの人気が再燃したのです。今回はタピオカ以外のエスニック料理に対する注目も高まっており、パクチーが流行することにもつながっています。

これまでのタピオカブームとの違いは「映え」

直近のブームが前回までと異なっているのは、インスタグラムが重要なキーワードとなったことです。新語・流行語大賞を見ると「タピる」がランクインした前々年の2017年に「インスタ映え」が年間対象に選ばれています。

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