日本の在住外国人メディア、知ると驚く「深い世界」 日本の大企業も広告出稿「アルテルナチーバ」に迫る
東洋経済オンライン / 2024年4月3日 12時30分
「エスニックメディア」をご存じだろうか。「ある国や地域に住む人種・民族的なマイノリティーたちがつくるメディア」のことだ。
【写真で見る】「アルテルナチーバ」に掲載される漫画はポルトガル語と日本語の2パターン
日本でも在住外国人たちがさまざまなエスニックメディアを持っている。ネパール語の新聞、韓国語のフリーペーパー、タガログ語のニュースサイト……。日本に住む外国人も、自分たちの「媒体」を持ち、読むのを楽しみにしているのだ。
これは海外に住む日本人だって同じで、アメリカやベトナムやインドなどなど世界各地に日本語のフリーペーパーや新聞がある。在住の日本人向けに発行されているものだ。
僕はタイに住んでいたことがあり、そのときは日本人向けの情報誌の編集部で働いていた。バンコクには僕たちがつくっていた雑誌のほか新聞やニュースサイト、フリーペーパー、さらにはラジオなど日本語の媒体がたくさんあったものだ。
発行1万6000部の「アルテルナチーバ」
異国で暮らすというのはたとえ言葉がわかったとしてもなかなか心細いもので、その生活の中で触れる母国語の情報源というのは心強く、またどこか温かみを感じるものなのである。
で、日本にいくつもあるエスニックメディアの中で、とりわけ大手のものが「Alternativa」(アルテルナチーバ)、ポルトガル語のフリーペーパーだ。おもにブラジル人が愛読しているのだが、130ページのフルカラーを年間24回、発行1万6000部という数字に、元同業者として驚く。それだけの規模のものがタイにあっただろうか。
その中身を見てみると、「日本におけるブラジル人の教育問題」「日本で起業するうえで注意すべきこと」といった記事が並ぶ。
日本で活躍するブラジル人シェフが教えるレシピ、日本で開催される予定のブラジル映画祭の紹介などエンタメ記事も多い。
また日本語の学習コーナーもあるし、漫画は同じ内容でセリフがポルトガル語のものと日本語のもの、2パターンが掲載されているのが面白い。
「日本で暮らすうえで必要な情報」をしっかり掲載する
「ブラジルから来て日本語を勉強中のお父さんは日本語のほうを読んで、日本生まれで日本語がわかる子どもはポルトガル語のほうを読んで勉強する。読者からそんな話を聞くとうれしくなりますよね」
そう話すのは「アルテルナチーバ」を運営する日伯友愛の代表取締役、田井博基リカルドさんだ。いま日本に住むブラジル人の多くは日系人だが、田井さんもやはり日系2世だ。
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