外国人がびっくり「日本のお通し」ここがヘンだよ 店側にとってのメリット、トラブル防ぐ対処法
東洋経済オンライン / 2024年4月4日 13時30分
4月から新年度に入り、新人社員の歓迎会を予定している人も多いのではないだろうか。
歓迎会では居酒屋がよく使われるが、そんな居酒屋でたびたび話題に上るのが“お通し問題”だ。特に居酒屋へ訪れたときに、最初に注文していない小鉢が提供され、お通し代として会計に追加された経験がある人もいるだろう。
枝豆や冷奴、野菜スティックやポテトサラダから、酢の物や刺身、だし巻き卵や煮物など、お通しはバラエティー豊かだ。
長い間日本の居酒屋で提供されているお通し。どんなトラブルが考えられるのか。店側の実情も踏まえながら、考えてみる。
お通しでトラブルになりやすいのが、頼んでもいないのに出てきた、先に料金が明示されていない、という点だろう。
訪日外国人とトラブルになりやすい
特にお通しは、外国人観光客とはトラブルのもとにもなりやすい。
欧米などの外国では、「飲食店でのオーダーは店側と客の契約である」といった認識が浸透しているため、どんなモノやサービスを、いくらで提供するかがしっかりと提示される。そのため、提供されるモノや値段も、不透明な“お通し文化”はトラブルを招きやすい。
居酒屋に足を運ぶような訪日外国人は、日本の食文化を理解したい、体験したいと思っているはずだ。だからこそ、ミシュランガイドで最も多くの星を獲得する美食都市である東京において、ファインダイニング(高級レストラン)ではなく、街場の居酒屋を訪れているのだ。
ちなみに、コロナ前は中国人観光客が圧倒的に多かったが、現在はさまざまな国からの観光客が日本を訪れている。居酒屋に関しては、アジア人よりも欧米人のほうが興味を抱いている印象がある。
せっかく、日本の食文化に興味をもってもらっているだけに、お通しの体験を“日本旅行のよい思い出”として持ち帰ってもらいたい。そのためには、料金も含めてお通しのシステムについてしっかりと説明する必要がある。
ちなみに、お通しの発祥には、江戸時代に客からのリクエストに応じて、おまかせの酒肴を提供していたことが起源であるという説もある。そう考えると、お通しは数百年続いたおまかせの酒肴であり、大切な日本の食文化であるといってもよい。
店側がお通しを出す理由
トラブルのもとになりやすいお通しだが、それでもお店側が提供を続ける理由もある。
お通しには、入店したばかりの客を待たせないための、配慮や機能がある。入店してから、店員がオーダーを取りに行き、そこから料理を作るとなると、当然のことながら時間がかかってしまう。
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