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お布施の増額は拒否可能?お寺の疑問に答えます 保存版!寺院との上手な接し方Q&A【前編】

東洋経済オンライン / 2024年4月8日 8時0分

A 「檀家」と通称されていますが、戦後は家制度が廃され、信仰は個人単位となりましたので、正確には「檀徒」または「檀信徒」といいます。

檀徒とは、寺を信仰的かつ経済的に支えるメンバーということです。

具体的に挙げてみましょう。家族の墓や納骨壇が寺墓地あるいは寺の納骨堂にあれば、その管理料相当額を定期的に年1〜2回、1万〜2万円程度を納めます。

また多くのお寺では檀徒総代会で年に5000円から1万円程度の「護寺会費」を徴収しています。寺を護持するための費用で、寺の修繕費などに充てられます。

そのほかには、月参りと称して死亡した家族の命日の月に、僧侶が各家を訪問してお経を上げてくれることがあります。家族の死者が3人いれば年3回となり、1回3000〜5000円ほどを包むことが多いようです。

またお盆や春秋の彼岸には、寺院で法要が行われます。参加する場合の金額は定まっていないものの、3000〜5000円程度を包むことが多いようです。

亡くなった家族の葬儀や、一周忌などの法事をお願いすれば、この場合も定額ではありませんが、それぞれ任意のお布施を包むことになります。

寺がリフォームするなどして多額の修繕費、改築費を要するときは総代会で予算を決め、檀徒に寄進をお願いすることがあります。

さらに経済的なことだけではなく、寺の主催する行事への参加についても檀徒は要請されることがあります。参加するだけではなく、寺の行事で受付、案内、設営などの仕事が割り当てられ、協力を求められることもあります。

寺によって檀徒に期待していることは異なります。まずは住職や総代の人に伺ってみてはいかがでしょうか。

寺が困っているのは、お寺の行事や経済を積極的に支えてくれる人(アクティブなメンバー)が、檀徒の中で年々減少していることです。あくまで任意ではありますが、できる限り参加・協力したいところです。

「宗派不問」の墓地は?

Q 父は次男なので、今住んでいる市に新しく墓を求めました。「〇〇寺霊園」という名ですが「宗派不問」とありました。父母が死んだ場合、この寺に葬儀や法事をお願いする必要はありますか。(60代女性)

A 名称に寺名がついているものの、戦後造られた宗派不問の墓地は「寺墓地(寺院境内墓地)」ではなく、「民営霊園(墓地)」となります。

この場合、改めて希望しない限りは寺の檀徒にはなりません。したがって、自動的に寺の檀徒に数えられることもありませんし、葬儀や法事をそのお寺に依頼する義務もありません。

同じ寺墓地であっても、寺の檀徒のみに使用を許される墓地の場合、宗派は自由とはいきません。信仰は必ずしもその寺と同じではないにしても、その寺の宗派を否定せず、檀徒として寺をさまざまな形でサポートする意思を表明した人が檀徒とされます。正確には、こうした檀徒にのみ使用を許される墓地を、寺院境内墓地といいます。

民間霊園の場合は、管理料は「年間1万5000円」などと定額で定められています。墓地の管理料で注意しなければいけない点は2つあります。

1つ目は、この管理料は墓地全体の管理の費用に充てられ、個別の墓所の清掃・管理はそれぞれの使用者の責任で行う必要があること。2つ目は、墓地の管理料の支払いが停止して一定年経過すると、墓所として使用する権利を失うことです。

碑文谷 創:葬送ジャーナリスト

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