ナイジェリア「ブルーライン」で超加速経済を体感 キャッシュレス、自動小銃、カオスな街並み…
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 10時30分
Cowryカードは中国製、仕組みはフェリカの仕組みのようです(フェリカは技術を開放しているため、中国でも広く使われている)。
定刻発車、車内飲食・喫煙禁止
ナイジェリアのバスなどでは遅延の印象が強い「アフリカ時間」が一般的で、予定の出発時刻が決まっていてもお客が埋まるまで出発しません。でも、「ブルーライン」は定刻発車をウリにしているため警備員が「No African Time!」と叫ぶ声がよく聞こえます。
飲食禁止により車内はきれいな状態が保たれていました。いままでは交通手段はバスしかなく、こちらのほうはカオスでした。飲食、喫煙……おかまいなしのなんでもありです。ブルーラインは高水準のサービスにより既存の交通手段との差異化を図っている印象でした。
ブルーラインは27kmの鉄道路線で、現在、マリーナ、ナショナル・シアター、インガム、アラバ、マイル2の5つの駅を含む第1フェーズ(13km)まで完成しています。建設したのは中国土木建設総公司です。第1フェーズは1日25万人を輸送可能で、第2フェーズで27kmに拡張し、完成すると、1日50万人を見込んでいます。
車窓から見えるカオスな街並み
ラゴス島のマリーナ駅を発車すると、しばらくは進行方向左手に海が見えます。ナイジェリア最大のラゴス港があり、コンテナ船などの大型船をたくさん見ることができます。ラゴスはラグーンのため、船でトラックや自動車を運ぶことも多いです。
しばらくすると、悪名の高い、新興国によくある、ゴミの中間集積所が見えてきます。ここにゴミをいったん集めて仕分けします。ペットボトル・金属類・紙などを分類してリサイクルするのです。他の新興国(インドやフィリピンでも悪名高い)でもそうですが、ここでの児童労働や環境問題、劣悪な作業環境などが、課題となっております。そのような現場を見ることができます。
まだ、日本の昭和50年代と同様にゴミの分別が、家庭でなされておらず、いったんこのような中間集積場に集めてから、分類しています。
ラゴスはアフリカ最大都市の1つで、推計2100万人の人口です。毎日排出されるゴミは1万トン(年360万トン以上)を超えており、ラゴス廃棄物管理庁(LAWMA)の管理能力を超えていると指摘されています(ちなみに東京23区内の家庭や事業所などから出される一般廃棄物は年間約254万トン)。
港を越えるとこのような風景もみえてきます。小さな商店街が連なっている場所です。港湾労働者や運転手などに、食事やモノを売る場所かと思われます。港が近いため、大きなトラックの駐車場所やコンテナ、貨車の置き場になっています。液体燃料運搬用の貨車もみえます。
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