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いなば食品「仰天リリース」意外と逃げ切れる背景 ただし、売上への影響小でも「恐れるべきこと」

東洋経済オンライン / 2024年4月15日 16時0分

いなば食品で何が起こっているのか

「CIAOちゅ~る」の爆発的ヒットで勢いに乗り、売上高も右肩上がり。「グループ年商1千億円を達成し、『静岡県最大の食糧加工会社となった』(2022年11月7日付「食品新聞」)いなば食品。そんな大企業としては考えられない、アヴァンギャルドなリリース発表でした。

目を疑うのはタイトルだけにとどまりません。今現在はタイトルも内容も書き換えられていますが、既にその内容は報道され、インターネット上には元のリリースの画像がたくさん転がっています。

文章ははっきり言えばメチャクチャで、採用担当だった副社長の急逝(リリース上では「死亡」とおよそリリースにはふさわしくない表現になっていた)と新総務部長による不始末が原因であると、亡き副社長の詳細な病状とともに綴られており、トンデモレベルの発表となっていました。

プレスリリースは会社が発信する情報なので、自社の誤解を呼ぶような表現は絶対に避けなければなりません。さらには今回のような会社の評判を下げるような報道に対しては、正確な情報提供によって誤解を解き、被害を少しでも減じるようなものでなければリリースの意味がありません。

しかし「ボロ家報道」と自ら書いてしまったり、読んでも意味がわからない責任逃れの言い訳に終始する内容など、およそ企業の公式発表とは思えないようなものでした。

社内が大混乱に陥って指揮命令ができなくなっているのか、PR機能が破綻したのか、いずれも会社の評価が下がりかねない場面での対応が、すさまじく迷走していることが傍目にも明らかです。

会社へのダメージは意外に軽度かもしれない

自責他責を問わず、企業経営においてトラブルや評判の毀損はあるものです。社内が混乱するのもやむを得ません。そういう危機的状況においてこそ真のリーダーシップが問われます。

文春報道では“ボロ家”以外にも、「女帝」と呼ばれる、社長夫人で現会長の存在などが書かれています。組織のガバナンスや指揮系統に問題があるという内容ですが、真偽はわかりません。ただこうしたコーポレートイメージは一般消費者への好感度ではなく、特に上場企業などでは株価にも影響が出やすい重大な経営課題となります。

このまま、いなば食品はトラブルの幕引きを図れるのか、そして文春をはじめとするマスコミやネット上での追及がさらに続くのかは不明です。とはいえ、同社は非上場企業なので少なくとも日々の株価に一喜一憂する必要はない訳で、製品の売り上げがキープできるならこのまま放置も可能ではあります。

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