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リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性

東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時30分

『リッチモンドホテルプレミア盛岡駅前』のアルバイトスタッフ(写真:リッチモンドホテル提供)

男性はもちろん、昨今は女性や外国人観光客など、多くの人が利用しているビジネスホテル。各ホテルはそれぞれに、代名詞とも言えるサービスや設備を持っている。けれど昨今のホテル選びでは価格ばかりが注目され、提供側がこだわっているポイントにはスポットライトが当たっていないこともしばしばだ。

この連載、「ビジネスホテル、言われてみればよく知らない話」では、各ビジネスホテルの代名詞的なサービス・設備を紹介し、さらに、その奥にある経営哲学や歴史、ホスピタリティまでを紐解いていく。第9回は、リッチモンドの後編。前編の朝食に続き、顧客満足度1位に選ばれるサービスと人について分析する。

学生アルバイトが入社したくなる環境

2023年、リッチモンドは世界的な調査機関である「J.D.パワー」の顧客満足度調査(1泊9000円〜1万5000円未満部門)で星野リゾートに次いで2位を獲得した。過去には、同調査で11回No.1を獲得した実績もあり、JCSI(日本版顧客満足度指数)の調査においても6指標すべてで1位を獲得するなど、突出した顧客満足度を誇っている。

【写真で見る】リッチモンド、「無難」と言いつつ、このクオリティだ

だが、「そういった調査の1位を目指したり、推奨したことはありません」と企画開発部部長 兼 新領域開発課課長の宗像興一氏はきっぱり言う。では、高い顧客満足度はどこから生まれるのか。

その理由について同氏は、「クオリティの高いアルバイトの存在が大きいのでは」と推察する。リッチモンドでは、アルバイトの人数の割合が社員に比べてかなり多い。合計20人が働くホテルを例にすると、社員2、3人に対して、アルバイトは17~18人だ。

このような体制は、リッチモンドのルーツであるファミレスのスタイルを踏襲して生まれた。さらに、これもロイホ同様だそうだが、他ホテルに「そこまでさせて大丈夫?」と心配されるくらい、アルバイトに権限を渡しているという。

「だからこそ自主性、主体性を持って働いてもらえます。指示を受けて働かされるのではなく、『自分たちで考えたサービスをしっかり届けたい』という意識で行動していることが、他ホテルとの大きな違いになっているのではないでしょうか」と宗像氏。

それを証明するのが、アルバイトから社員になり、その後幹部になっているメンバーの存在だ。実は取材相手の宗像氏、そして同席しているブランディングマネージャーの渡邉海氏も、元はアルバイトだったそうだ。お二人は、なぜ今も働き続けているのだろうか。

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