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「著名人の詐欺広告」で問われる"無料ネット社会" 生成AIが生み出すコンテンツは著作権違反か

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 9時0分

著名人になりすました詐欺広告が大きな問題となっています(写真:bee/PIXTA)

Facebookやインスタグラムで著名人になりすました詐欺広告が大きな問題となっている。

【画像】ネット広告を悪意が侵しはじめている。雑誌デジタルは、インターネット広告の伸び率と揃っていたが横ばいに

詐欺広告に顔と名前を使われた前澤友作氏と堀江貴文氏が自民党の会合に出席し、問題提起した。自民党議員の中には「広告停止を求めるべき」との声も出ていると報じられたが、Facebookを運営するMeta社が出した声明文は「防ぐのは無理なので社会の問題ですね」という無責任な内容で、余計に批判を浴びている。

この問題は、「ネットは無料でコンテンツが手に入る場」という常識が変わる兆しかもしれない。

今後ますます詐欺広告が社会問題化し、前澤氏が訴訟を起こす可能性もあるなど、具体的な展開がありそうだ。日本でのネット詐欺を行う集団をタイ当局が逮捕したニュースも伝わり、国際的にも取り締まりが行われている。

ただ次から次に犯罪者たちが参入してくるだろうと思うと、解決は遠いだろう。Metaが言う通り、解決できないのかもしれない。ただ、広告主企業は今Facebookへの広告出稿を議論しているはずだ。詐欺広告と自分のブランドを並べたくはないだろう。

SNS2大巨頭が有料化を検討

一方でMetaは昨年、欧州でFacebookの有料プランを発表している。EUは一般データ保護規則(GDPR)でネット企業の個人情報取得を厳しく制限しており、その対策として広告を見なくて済む有料制を始めたのだ。その価格は月9.99ユーロ(約1580円)で意外に高い。

X(Twitter)についてもイーロン・マスク氏が有料化を示唆する投稿をした。すでにフィリピンとニュージーランドでは新規のみ月1USドルを徴収する制度を試行している。ボット対策として有効と考えている様子だ。なにしろ今のXはインプレゾンビ(閲覧回数を稼ぐために投稿を繰り返す迷惑アカウント)が徘徊するディストピアと化しつつある。有料化のような抜本的変更をしないと人が寄り付かない場になりかねない。

FacebookとXはこれまでのSNSの2大巨頭のような存在だ。その巨頭たちが有料化を始めたり検討したりしているのは、ネットという世界にパラダイムシフトが起きようとしている現れではないだろうか。

ネットは無料で自由な世界として受け止められていたと思う。そこには、単なるインフラを超えた思想めいたものもあった。旧世界より新しく、進んでいて、自由な社会がもう一つ別に存在しているように私も感じていた。その自由を裏で支えていたのが広告モデルだった。

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