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「飲みニケーション」が若者に嫌われる3つの理由 お酒を楽しむか、親交を深めるかの使い分け

東洋経済オンライン / 2024年5月1日 7時50分

しかし、今は時代が異なる。近年、着実に飲めない若者は増えているし、健康意識の高まりから、飲めるがあえて飲まない・少量しか飲まない「ソバーキュリアス」を好む人も増えている。何を隠そう、私もその1人だ。

酔いたくないというだけでなく、酔っ払っている人を見るのも好きではないという人も多い。シラフとのギャップに嫌悪感を覚えるからだ。お酒を飲むことで、認知能力、状況判断力などは確実に落ちる。お酒に強く、ふだんと変わらない人ならともかく、バリバリ仕事をする先輩、頼りになる上司がお酒の席で見せる別の顔に「冷める」という若者も多い。なぜなら、お酒を飲まない(飲めるが飲みたくない)という若者は、お酒によって認知能力、状況判断力が落ちてないゆえに、冷静に先輩や上司の言動を観察できてしまうからだ。

だから「飲み会」に参加すればするほど、職場に対するエンゲージメントが落ちてしまうのである。

最後に「(3)プライベートと仕事を分けたい」について。

これが一番ピンとくる人もいるかもしれない。要するに、飲み会は仕事の延長と感じるため、参加が任意であれば、自分のプライベートに時間を使いたいという考え方だ。

これは何も「家に帰ってだらだらYouTubeやNetflixを見たい」という非生産的なものだけではなく、「スキルアップのために英語の勉強をしたい」とか「家庭の時間を大切にしたい」などのもっともな理由がある若者もいた。そうした時間を削ってまで、飲み会に参加したくはないということだろう。

上司がコミュニケーションで意識すべき2つのポイント

コミュニケーションを飲み会ばかりにたよっていると、先述の若者たちからは、好ましく思われない。もちろん、これは若者に限らず「飲みニケーション」が苦手な人も増えている。かくいう私(54歳)もそうだ。

とはいえ、ランチョンテクニックは、ビジネスシーンにおいて相変わらず効果はある。だから、お酒さえ抜けば、うまく活用できる(※ランチョンテクニックとは、心理学者のグレゴリー・ラズランが研究し有名となった技。飲食をともにすることで相手と交渉したり、関係を築く心理テクニック)。

では、世の中の上司は、どうすればいいのか。次の2つを意識していくべきだろう。

(1)お酒は好きな人とだけ飲む(お酒を楽しむことが目的のケース)
(2)お酒抜きで食事やお茶をしながら会話する(親交を深めることが目的のケース)

原理原則は「相手の立場に立って考える」である。お酒が入れば誰でも仲良し――という画一的な発想は、もう通じない。だから「飲み会」は、行きたい人が行けばいいのだ。部下と関係を作りたい、ざっくばらんに話がしたいというのなら、お酒抜きで「場」を作ればいい。

前述したとおり「ランチョンテクニック」は効果がある。殺風景な会議室で話すより、美味しい食事やコーヒーを飲みながら会話する機会は積極的に作っていこう。長い時間も必要はない。30分でかまわないのだ。「飲みニケーション」は確かに役立つが、相手に合わせて「飲まずニケーション」と使い分けていくのが、今の時代には必要だろう。

横山 信弘:経営コラムニスト

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